『エルフの竪琴』Kindle版、出版しました❣️
「エルフの竪琴」について、チャットGPTに聞いてみた。
以下、途中まで公開します。
【エルフの竪琴】
谷 よっくる
ジンジャー渓谷に近い沢のほとりに、一人のエルフが居を構えていた。
彼女の齢は三百歳を越えていたが、見た目は普通のうら若き乙女のようだった。
彼女は自然とともに生きることを愛していた。
多くの人が住む街にはなんの興味もなかった。
久しく人と会っていなかった。
彼女は、美しい小川の水や、清浄な泉の湧き水を飲み、暮らしていた。
たまに木の実を食べるくらいで、それだけで元気にしているのだった。
彼女は素敵な音色を奏でる竪琴を持っていた。
精霊界の職人が作ったもので、長年の時を経ても、壊れることなく、素敵な音色を奏でるのだった。
彼女がその竪琴を奏でると、その音色は風に乗って、森をめぐり、川をめぐり、谷をめぐり、やがて人里まで達するのだった。
人々はその竪琴を、エルフの竪琴と呼んだ。
ある時、一人の旅人が、ある村でエルフの竪琴の噂を聞いた。
ジンジャー渓谷には一人の美しいエルフが住んでいて、さみしい時に竪琴を奏でるのだという。
その音色は、この世のものとは思われぬほどの素晴らしさだという。
ただ、数年前に聞いた人がいるが、それっきりだという。
人々は、エルフがいなくなり、竪琴だけが残されているのではないかと噂していたのだった。
旅人は本当にエルフがいるのなら、会いたい、そして近くで竪琴を聞かせてほしいと思った。
旅人は村人にジンジャー渓谷への道を尋ねると、まっすぐ向かっていった。
ジンジャー渓谷へは、整備された道はなく、けもの道をかき分けながら進んでいくしかなかった。
ジンジャー渓谷に人が訪れない理由はそんなところにもあった。
道の険しさに辟易しながら、旅人は黙って前に進んでいった。
いくつもの昼と夜を、山や森の中で過ごした末に、旅人はある沢のほとりにたどり着いた。
そこには清流がさらさらと流れ、風は肌に心地よくそよいでいた。
沢の近くには、見たこともないような美しい花々が咲き乱れる野原があり、そこでは野うさぎたちがじゃれあっていた。
沢を下ると、滝になっており、滝の下は視界が届かぬほどの深い谷になっていた。
おそらく、この谷がジンジャー渓谷なんだろうと旅人は思った。
だとすれば、エルフが住まうのは、あの沢の近くに違いない。
旅人は、沢まで戻ると、そこにテントを張った。
当分は警戒して出てこないだろうが、こちらに敵意がないことがわかれば、いずれエルフの方から姿を現すだろう。
旅人は長期戦を覚悟していたが、果たしてそれから一ヶ月ほどはなんの気配も感じられなかった。
旅人は、自炊して、川の水を飲み、木の実や果物を食べて過ごした。
肉食はエルフが嫌がるだろうと考えて、極力しないようにしたが、たまに釣りをして、とれた魚を焼いて食べたりもした。
そんなある日。
この日は、いつもと様子が違っていた。
一ヶ月も、きれいな沢の水を飲んで暮らしていたためか、体調はすこぶるよく、気持ちは清々しかった。
旅人は、沢の音を聞きながら、岩の上で座禅を組み、瞑想した。
何かが起こる。そんな予感がした。
今日こそはエルフに会えるかもしれない。そんな思いが頭をよぎったが、その思考にとらわれないようにしようと思った。
すべては流れるままに、あるがままに…。
すると、旅人の耳に、沢のせせらぎや、谷を渡る風の音、森にこだまする鳥のさえずりがひときわ大きく聞こえてきた。
旅人は無我の境地となり、体は岩の上に鎮座したまま、心は体の束縛を抜け出し、自由になった。
旅人の心は、蝶になって花から花へと飛び回った。
旅人の心は、野うさぎになって、野原を駆け回った。
旅人の心は、魚になって、清流を泳いだ。
そのすべてが、平和で、幸福に満ちていた。
これこそが、自然とともに生きるということだ。旅人はそう感じた。
ずいぶん長い間、忘れていた感覚だった。
子供の頃に、時間を忘れて野山を駆け回っていた、あの感じ。
それを取り戻したかのような気分だった。
旅人の心は満ち足りていた。
エルフのことは頭から消えていた。
自分の体に戻ってくると、旅人は、ここに来てよかったと、自然に感謝した。
そして、人間は、もっと自然とともに生きなければならないと痛感した。
旅人は、また、この地にやって来ることを誓って、沢をあとにしようとした。
すると、どうであろう。
沢のせせらぎに混じって、竪琴の音色がどこからか聞こえてくるではないか。
その澄んだ音色を聞いているうちに、旅人は顔をクシャクシャにして泣き始めた。
哀切をおびた竪琴の調べに心を揺り動かされ、旅人は嗚咽した。
そんな旅人の脳裏に、エルフの言葉が響いてきた。
(続きは書籍をお読みくださいませ。)