【スピリチュアルな七夕物語】

七夕といえば、織姫と彦星の切ない愛の物語ですね。
この物語をスピリチュアルな視点で見てみましょう。

天の川

(絵は矢田部涼子さん)

・・・

織姫と彦星は、ひとつの魂として、神様に作られました。

二人はひとつの魂として、一緒にいましたが、二人一緒だと、なにも他にはいらないというくらい、幸せでした。

他になにも必要としないくらい、満ち足りていて、完全でした。

けれど、進歩も成長もなかったのです。

神様はある日、二人でひとつの魂に言いました。

「お前たち、男と女に別れて、宇宙を旅してきなさい。」

二人でひとつの魂は、言いました。

「なぜですか、神様。
私たちはひとつで完全です。
なぜ、二人に別れないといけないのですか?」

神様は言いました。

「お前たちが望まぬなら、そのままでいなさい。」

それから、長い時がすぎました。

二人でひとつの魂は、幸せであり続けましたが、あるとき、ふと気づいたのです。

私たちはこのままずっといても、幸せだけど、ほかの幸せもあるんじゃないのかな。

もし、そうなら、ほかの幸せも経験しなくちゃもったいない。

せっかく神様につくっていただいたのだから、いろんな経験をして、また、ひとつに帰ろうと。

二人でひとつの魂は、神様に言いました。

「神様、もしよろしければ、私たちを男と女に分けてくださいませんか?」

「私たちは今とはちがう幸せを体験してみたくなりました。」

神様は、すぐに、二人の願いをかなえました。

そして、二人にこう言いました。

「あなたたちはこれから別々の旅に出かけなさい。
二人で同じ旅をするよりも、二倍の経験ができるから。
そして、一人旅を十分経験しつくしたら、ひとつに戻るといい。」

二人は言いました。

「わかりました、神様。
私たちは別々の旅に出かけます。
今までずっと二人だったので、一人旅は初めての経験です。
不安もあるけれど、とても楽しみです。」

「でも、別れたあと、再会するときは、どのように出会えばよろしいのですか?」

神様は言いました。

「宇宙に流れる天の川という銀河がある。
あなたたちは、そこで落ち合いなさい。
天の川は、あなたがたが再会する約束を思い出す目印となるだろう。」

二人が天球をながめると、とても美しい大河が流れているのが見えました。

「まあ、なんて美しいんでしょう」

「あれなら、見失うことはないから、目印にピッタリだ。」

「とても長い川だから、川のどこで落ち合うか決めておこう。」

二人は川の両岸に輝く大きな星を見つけました。

そして、それを自分の星と定めました。

「では、いつかひとつに戻りたくなったら、あのふたつの星の中間地点で落ち合うことにしましょうね。」

「うん、そうしよう。
どちらかが先にその場所に行ってしまったら、相手を待っていることにしよう。
そうすれば、いつか会えるから。」

「二人が会った時が、この別々の旅の終わりね。
それまでは、この神様に祝福された一人旅を楽しみましょう!」

二人はそう言うと、しっかりと抱きしめあって、それぞれ反対の方角に歩き始めました。

二人が再び出会うには、気の遠くなるような長い年月を過ごさねばならないと、二人とも、その時は知りませんでした。

神様は、そんな二人の旅をいつもあたたかく見守っていました。

・・・

これがスピリチュアルな視点で見た、織姫と彦星のお話です。

なぜ、毎年、七夕の日に出会わないのかって?

だって、ほら、天の川をはさんで、いつも二人の星は離れて輝いてるでしょう?

いつまでも離れ離れじゃ切ないと、早く二人を会わせたいと思った、せっかちな地上の人が、一年に一回、会えるようにと、物語を書いたのです。

私たち、一人ひとりが織姫であり、彦星です。

幾億年もの時の流れを渡り歩き、さまざまな生と死を経験してきた私たち魂が、最後に出会うパートナー、魂の片割れ、もう一人の私。

それが本当の織姫と彦星の物語です。

どっとはらい。


よっくる(^-^)/