【木は生きている】
(絵は矢田部涼子さんです)
木は静かに立っている。
木は何も主張せぬかに見える。
...
ただ黙って、
天に向かい、そびえ立つ。
木の幹にさわると、
木の中をめぐる水の音が聞こえる時がある。
どうどうと
根から吸い上げられ、
枝に葉に届けられ、
潤いを与える水。
水は木の血液のよう。
そんな木が
何百万本とそびえ立ち、
二酸化炭素を取り込み、
酸素をはき出す。
その聖なる生命の営みあればこそ、
動物は生かされる。
ああ、愚かなり、我ら人類。
目先のカネに目がくらみ、
森を伐採し、木を倒す。
木は人間に何をされても、
ただ黙って、倒れていく。
そのしっぺ返しを受けるのは
人類であることを
木は知っているのか。
木よ。
あなたもまた、永遠の生命。
この世に人間より長くおり、
でも、やがて朽ちて、
倒れていく。
木の魂は、その時、どこに帰るのか。
あの世の森や林にまた生えるのか。
永遠の生命を持つ木よ。
ありがとう。
ありがとう。
そしてまた、
いつか、
あの世の空の下ででも
会おう。
よっくる(^-^)/