東野圭吾さんの『パラレルワールド・ラブストーリー』
![]() | パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫) 810円 Amazon |
内容(「BOOK」データベースより)
親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。
「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。
錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、さらなる謎を生む。
精緻な伏線、意表をつく展開、
ついに解き明かされる驚愕の真実とは!?
傑作長編ミステリー。
謎が謎を呼ぶ、というか
息もつかせない展開、というか。
そもそも、一気に読み通すことは出来ず
細切り時間での読書なので、何度も
あれ? これってどういうことだったっけ? と
行きつ戻りつの読書になりましたが
とても面白かったです!!
読み終わった後も、この後崇史はどうなるんだろう?
これで幸せになれるのかなぁ? と
しばらく考えてしまいました。
人の記憶って何なんだろう。
今まで生きてきて経験してきたことは
だいたいは覚えていると思います。
が、たぶん無意識のうちに
自分の都合のいいように美化されていたり
辛かったことは、忘れる、もしくは
そんなに辛くなかったように
ほんの少し、真実とは違うように覚えていたりするんだろうな。
この小説で描かれているような研究って
きっと進んでいるだろうし、今の世の中の技術であれば
ある程度、現実に起こり得る話なのかも?
とも思い、少し怖くなったりもします。
自分の意識の中で(意図してる、意図してないを問わず)
勝手にいいように美化されてることは
全く否定しませんが、それが、外部要因でもたらされるとなると
それってもう、自分じゃない、みたいに思えて。
面白いけどちょっと怖い。
そんな作品でした。
東野圭吾さんの作品、色々と読んでいますが
どの作品も、それぞれ違いがあって
とても同じ人が書かれているとは思えない!

頭の中をのぞいてみたいものです(笑)