『光媒の花』道尾秀介 | Spice to daily life in America

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フルタイムで働くアラフォーワーママ。まさかの海外赴任が決まり、2023年4月からアメリカでのワーママ生活が始まりました。夫、息子たち(3歳と8歳)とのドタバタ4人暮らしです。

読書記録です。

なんとなく表紙の写真に惹かれた

道尾秀介さんの『光媒の花』


 

道尾さん、推理小説のイメージだったのですが

こちらの小説は推理小説ではなく

日常の中の人と人との関わり、気持ちの揺れ動きが丁寧に描かれた

普通の(? という言い方がいいのか分かりませんが)小説でした。



短編小説集なのですが

ストーリーが繋がっていないようで繋がっていて

とても面白かったです。


決して、幸せな話ではなく

辛く悲しい出来事ばかり起こるのですが

それでも、読み終わった時に、何となく

心がほっこりする、不思議な本でした。



道尾さんの他の本も、読んでみたいな。




以下、Amazonより。

印章店を細々と営み、認知症の母と二人、

静かな生活を送る中年男性。

ようやく介護にも慣れたある日、

幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が

「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。

三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)

共働きの両親が帰ってくるまでの間、内緒で河原に出かけ

虫捕りをするのが楽しみの小学生の兄妹は、

ある恐怖からホームレス殺害に手を染めてしまう。(虫送り)

20年前、淡い思いを通い合わせた同級生の少女は

悲しい嘘をつき続けていた。

彼女を覆う非情な現実、救えなかった無力な自分に絶望し

「世界を閉じ込めて」生きるホームレスの男。(冬の蝶)など、

6章からなる群像劇。

大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘

絶望の果てに見える光を優しく描き出す、感動作。