読書記録です。
なんとなく表紙の写真に惹かれた
道尾秀介さんの『光媒の花』
![]() | 光媒の花 (集英社文庫) 583円 Amazon |
道尾さん、推理小説のイメージだったのですが
こちらの小説は推理小説ではなく
日常の中の人と人との関わり、気持ちの揺れ動きが丁寧に描かれた
普通の(? という言い方がいいのか分かりませんが)小説でした。
短編小説集なのですが
ストーリーが繋がっていないようで繋がっていて
とても面白かったです。
決して、幸せな話ではなく
辛く悲しい出来事ばかり起こるのですが
それでも、読み終わった時に、何となく
心がほっこりする、不思議な本でした。
道尾さんの他の本も、読んでみたいな。
以下、Amazonより。
印章店を細々と営み、認知症の母と二人、
静かな生活を送る中年男性。
ようやく介護にも慣れたある日、
幼い子供のように無邪気に絵を描いて遊んでいた母が
「決して知るはずのないもの」を描いていることに気付く……。
三十年前、父が自殺したあの日、母は何を見たのだろうか?(隠れ鬼)
共働きの両親が帰ってくるまでの間、内緒で河原に出かけ
虫捕りをするのが楽しみの小学生の兄妹は、
ある恐怖からホームレス殺害に手を染めてしまう。(虫送り)
20年前、淡い思いを通い合わせた同級生の少女は
悲しい嘘をつき続けていた。
彼女を覆う非情な現実、救えなかった無力な自分に絶望し
「世界を閉じ込めて」生きるホームレスの男。(冬の蝶)など、
6章からなる群像劇。
大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘
絶望の果てに見える光を優しく描き出す、感動作。