あたしの名前は みなみ
ママとはなれてしまったあたしは
あるマンションのお庭で
朝も夜もずっと鳴いていたの
そうしたらママがもどって来るんじゃないかと思って。
マンションの人がそんなあたしにこまっていてしゃしんをとっていたわ


その日もなきつづけ 気づけばまっくらになり
くじはんごろに
ママの声みたいな声がしたからおへんじしたの
その声となんどもなんどもよびかけあった
ここだよーとないた
でも
どうやらその声のもちぬしはママではなく
オバサンだった
なんかあやしいとおもったんだ
だから、あたしはにげた
つかまるもんかと マンションのお庭さんげんぶんをかけまわってやった
でも そのオバサンはへいをのりこえて
しつように 追いかけてくるの
明かりをてらしながら。
そうして とうとう
すき間に追い込まれて
首のうしろをつままれて
あっという間に
せんたくネットにいれられた
じゅうじくらいだったかしら
それから
そのオバサンのお家に行ったわけだけど
げんかんにはあたし用のけーじがあって
クサイ冷たいスプレーをかけられて体をもみもみされて
ごはんをいっぱい食べさせてくれた

なんだかめまぐるしすぎて こわくて
その夜は 朝までずーっとないてしまったわ
それから2日たって
げんかんから
おへやにいどうした
なんとも ふくざつな気持ち
もとのところに戻ってママを待ちたいのだけど だんだんと
もうママはいないんだとわかってきた
すくなくとも ここは
さむくないし いつもおいしいごはんがおいてある
みぞにたまったきたないお水をのまなくてもいいし
なかまもいっぱいいそうだよ
わるくはない
これから先
なにがおこるのかわからないけど
オバサンにたよってみようとおもう