私の耳はちょっと難聴で
言葉がうまく聞き取れない。
大きな声でハッキリ話してくれれば問題はないけど
小声で話されると全く聞き取れない
7年前に手術をしたが・・・
術後は良かったけど数年経って戻ってしまったみたい。
母の病室は4人部屋
もちろん大きな声で話すことはできない
何度も聞き直す私にきっとイライラしてたに違いない
だから聞こえてるふりをし相槌をうつ
母はおしゃべりが大好きで
同じ話を何度も何度も繰り返す
母と向き合って話をするのは
何年振りだろう・・・思い出さない・・・
あまり会話がなかった家族だったのかもしれない。
残り僅かと知りながら
何を話していいのかさえ思いつかず
ただ、母の話を聞いてるだけ、、、
話を聞くだけじゃなく
ちゃんと親子の会話がしたい・・・
母の話だけじゃなく
肝心な先生の話すら一人で聞けない
マスクをしてる先生の声はこもって何を言ってるのか理解出来ない
『・・・すみません、、、私、難聴で聞き取れないんです・・・。』
聞き取れなかった部分は話の途中で
『なんて言ったの??』 と、父か弟に聞き直す
・・・かなり不自由だと今になって気づいた
必要ないと思って避けてた
『補聴器』を買うことを決心した。
母の言葉をきちんと理解し会話がしたい。
『うん、うん』 ってうなずくだけじゃなく
私の思いも言葉にして伝えないから・・・。
けど、、、遅かった、、、、
補聴器を買った夕方に
病院から電話がきた
『容態が急変したのですぐ病院に来て下さい。』
急変って・・・ちょっと待ってよ・・・。
先週は体力が回復したから
一泊だけ外泊許可出たばかりじゃん
きっとこれが最後だろうと家族で過ごしたばかりなのに・・・。
1月12日~13日
外泊許可が出た。
母の精神的不安を取り除こうとして許可をもらった。
前日の11日に母に病名を告知したからだ・・。
家族で話あって弟が帰省する前に告知しようと決心した。
告知を決心したわけは
先生が抗がん剤の使用ができるくらいまで回復してきたと言ったから・・・。
告知すれば今後、母がどうしたいのか選択も可能になる。
あとは・・・やっぱり最後まで病名を隠し通す自信が、、、なかった。
母は病名を知りたかったのか・・・
知りたくなかったのかもしれない
父が後で教えてくれた。
『薄々感じてた・・・』 そう、母が言っていたと・・・。
数日間、母には黙っていた病名
母は私達をどう思ったのか・・・
そんなコト・・・聞けないよ・・・