余命3ヶ月・・・そう告げられた家族の苦悩 -14ページ目

余命3ヶ月・・・そう告げられた家族の苦悩

娘でいられる時間が残り僅か・・・

親不孝ばかりしてた私が最後に母にしてあげられる事は・・・?

個室に移されてから毎日考えてた。


・・・娘でいられる時間は後どれくらいなのかと、、、。


意識はあるものの

前のように会話できる元気はない


単語をポツリ、ポツリと話くらいだった。


母は胃に大きな潰瘍があり

ここからの出血が止らず

口から血が混じった痰を吐き出すようになった。


横になっているので

うまく吐き出すコトができないので

口元まで吐き出してもらい

家族の誰かがティッシュでふき取る


日に3箱のティッシュがなくなる。


たまに吐血するので

ティッシュじゃ間に合わないコトもある。


こんな状態でも母は泣き言は言わなかった。

辛いとも苦しいとも・・・。


もしかしたら母も感づいていたのかもしれない。

残り僅かだってコトを・・・。


一日に交互に輸血、血小板を投与しても

数値はよくならない。


主治医には

『貴重な血液、血小板ですからね、、、

週明けまで様子をみて考えましょうか・・・。』


・・・母に使うのは、、、無駄ってコトですか??


3日間、吐血、血痰していたが

4日目からちょっとずつ吐き出す量が減っていった。


しかし、、、肝心な尿まで減っていった。


そう、、、主治医に言われてた・・・


おしっこの量が減っていったら・・・


点滴が体内に溜まる一方だから

菌も体外に出なくなると・・・。


母には腹水もあるので

肺を圧迫して息苦しくなるとも言われた。


ちょっとずつ口から吐き出す量が減ったのは

下血に変わっただけだった。


娘でいられる時間・・・

もう残っていないんだと、、、思った。

母の病名を知ってから

家族の会話が増えた。


こんなコトがなければ

こんなに会話をするコトもなかっただろう・・・。


親子の会話が殆んどなかった私の家


18歳で親元を離れ生活し

車で20分の距離に住んでいるので

何も用事もなければ行くこともないし電話もしない。


母はマメに電話をくれた。

が、特に用事もなく

ただ『元気でやってる?』『ご飯食べたの?』 と、

子を心配する内容ばかりでうんざりした。


『今さ~テレビ見てるんだけど!!』

こんなコトを言って早々に電話を切ったコトもあった。


今、思えばすべてが後悔になっている。


どうして、、、

なんで、、、

もっと、、、

あの時、、、


自分のした行いは

いつか自分に降りかかってくる・・・後悔となってね・・・。


無口な父とも会話が増えた。


私の子供の頃の話や

若いときの母のコト・・・


私の知らなかった母は

かなり苦労していた。


父に一度聞いたコトがあった。


『どうしてお母さんと結婚したの??』


父は・・・

『可哀想だと思ってね。』


・・・それは同情ですか?と言いたかったけど

きっと照れ臭くて娘には言えなかったんだろうね。


父と母を見てれば分かるよ。

文句言いながら40年間連れ添った夫婦だもんね。


今の父を見ればよく分かる・・・


・・・父は母を、、、愛しているんだと・・・。

そして母も、、、愛しているんだと・・・。


むくんだ母の手を摩りながら

お互い何も言葉はなくても

私には見えた気がした・・・


『夫婦の絆』 を・・・。

続きです。  

40分って聞いていたのに

2時間後に出てきた母・・・


口からの栄養摂取が困難な状態の為に

静脈からカテーテルを挿入する処置も同時に行ったとのコトだった。


4人部屋からナースステーション近くの

個室に移され

酸素マスク、胸には心電図の装置がついていた。


点滴の本数も増えていた。


見てるだけで痛々しい・・・


意識はあるので

話掛ければうなずくコトはできる。


けど、何を言ってるのか

家族全員が聞き取れない


こんな状態で回復するのか・・・??


手術、処置がうまくいき

抗生物質の効果が表れ

体内の菌が尿と一緒に出てくれるコトを祈るしかない。


これだけじゃなく

血小板も5000までになってしまった。


出血がしやすく止りにくい状態


抗生物質の他に

血小板、輸血も交互に投与


やるだけのコトはやった。

あとは母の体力がどこまで耐えられるのか・・・


どこまで回復するのか分かんないけど


『まだ逝くには早すぎるよ・・・。』


入院して一ヶ月しか経ってないんだもん。


この日から弟は母に付きっ切りで看病した。


私も仕事をしばらく休んで

毎日病院に向かった・・・。


少しづつ回復を祈りながら

『明日は今日より元気になっててね。』


そう言いながら病院を後にした。