肝臓内に血管の短絡路がある場合の肝臓がん治療 | 石原知明〜四日市消化器病センター肝臓内科医〜

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今日の四日市消化器病センター

肝臓がんに対する

肝動脈化学塞栓療法(TACE)を

2例行いました。

 

朝早くから手術の準備をしてくれる

看護師さんたち

 

 

ちょっと難しい話ですが、

 

肝臓がんは基本的に

動脈から栄養をもらって

大きくなります。

 

一方、正常肝細胞は

門脈と動脈から栄養をもらっています。

 

今回の最初の症例は

肝臓がんを養う動脈と門脈に

シャントと言われる短絡路があり

 

動脈造影をすると門脈もすぐに造影剤がながれ

↑のあたりに腫瘍が写って欲しいのだが

腫瘍の影や栄養血管がぐちゃぐちゃにうつり

どうやって治療すべきか困りました。


 

四日市消化器病センターの透視装置は

Cアームといって(アルファベットのCの形をしています)

回転し

X線管から出る

X線の角度を変えることができます

 

元の位置

 

斜めの位置

 

動脈と門脈の画像が重ならない位置に調整し

腫瘍(↑)をくっきり捉え、

 

浦城医師は動脈と門脈の短絡している場所を見つけ

その末梢の動脈から

抗がん剤と塞栓物質を慎重に流して

治療できました。

 

(患者様には撮影許可をいただいております)