肝臓の細胞の検査 (苦手な方はちょっと閲覧注意かも) | 石原知明〜四日市消化器病センター肝臓内科医〜

石原知明〜四日市消化器病センター肝臓内科医〜

たま〜にTGRラリーチャレンジにエントリーするショボいラリーチーム監督のブログ

肝障害の理由や肝臓にできた陰影について

血液検査やCTなどの画像検査だけでは診断が難しい場合

 

肝臓(または肝臓の陰影)の細胞を直接取って

調べることがあります。

 

これを『肝生検』といいます。

 

肝生検につかうキット

滅菌された針と、一方弁がついた陰圧装置

 

なんか〝ぎょうぎょうしく〟

思われるかもしれませんが、

細胞の採取に使う針(生検針)は、

注射針よりちょっと太いぐらい

 

エコーで太い血管などをささないように

針の進める安全なルートを確認

 

肝臓の中には痛みの神経がなく、

皮膚、腹膜など肝臓の表面を麻酔すれば

患者さんは『痛い』とはおっしゃいません。

 

中芯のある針をすすめ、中芯を抜いたところで

針の腔をこの仕掛けで陰圧にすれば、

針のなかに肝臓の組織が吸い込まれるという理屈です。

 

イトミミズのような肝臓の一部(標本、検体)がとれました

(画質をおとしています)

 

 

あとは処理をして顕微鏡でのぞき(病理診断といい)ます。

 

『始めますね〜』から20分ぐらいで終了。

みなさんお疲れ様🙇‍♂️でした。

 

(検者の方に撮影、掲載の許可をいただいております)