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・・・と言って会社にやってきた。


私を含め、社員はほぼ全員絶句。
理由は、


『なんで家財道具山積みのトラックがあるの?』叫び


季節は年の瀬。

すでに気分は休暇モード。


こんな時期にこんないでたちでは


『私たち、夜逃げして来ました』


って言ってるようなもんジャン???



事情を伺うために、とりあえず接客スペースへ。

20歳前半でしょうか。

決してキレイとは言えない格好でした。

こちらを正面に見つめる眼差しだけは澄んでキラキラしていました。



客  『お察しのとおり、夜逃げしてきました。』

担当 『・・・。』

客  『でも、きちんと借金は踏み倒してきましたから、安心してください。』

担当 『・・・。』

客  『決して御社にご迷惑をかけるようなことはいたしません。』

担当 『申し訳ないのですが・・・。』



『ちょっと待った!』


をかけたのは・・・、責任者の私でした。

ここで尋問開始。



『今いくら持ってるの?財布と通帳見せて』


優に100万円以上の現金を持っていました。

通帳の残高・・・思い出せません。


『〇〇さん、今お客様から通帳をお預かりしたので急いで記帳してきて!』

『なんで夜逃げしたの?どうして借金ができたの?いくら踏み倒したの?』

『これからどうするの?お子さんの学校は?』

『住民票はどうしたの?』

『ここで生活していくための計画は?』



結局、入居させました。

この人なら大丈夫。

根拠のない自信が自分を思い切らせました。



もちろん、部長からは強烈に叱られました。

敷金をたくさん預かればよい、って話ではない!と。


社長は笑ってました。

『おまえ、もちろん責任取るよな!?万が一があったらクビにはしないけどお前がかぶれよ。』



うちの社長、とにかく人物重視なんです。

お金がなくても、こいつなら、でOKだしちゃう人なんです。


私はそんな社長を尊敬していました。

だからこそ、必死に、正直に我々に向かってきた 『夜逃げ人』 たちに再起のチャンスがあっても?



まぁ、確かに彼らは一度人を裏切った人たちです。

私自身、自分が社長だったらやはりこんなことはやっていなかったでしょう。



これがある年の最終営業日でした。

これで終わってたらいつもと変わらない日なんですが・・・。

続きがあるのです。



数日後、あり得ない形で彼と再会をするのでした。




(つづく)