社会通念上は大変な事件。
ワンルームマンションで火災が発生すると通常は全焼です。
何しろ 『あっ』 という間に燃えますから。
でも・・・、損害保険代理店業務をやっている不動産会社にとって、実はこんなにおいしい事故はない。
これほどの大型工事の受注はなかなかないですから。これは4・5回あったかな。
寝タバコ
アロマのろうそく
揚げ物の油に引火
などなど。
2千万円の物件といえど、所詮、ワンルームです。
部屋うちの造作はたかが知れている。
リフォーム代金の原価は3~4百万円。
売上は5~6百万円。
バストイレ付きキッチン?
みたいなウサギ小屋を燃やすと、田舎の不動産管理会社の1~6ヶ月の売上を簡単に稼げる。
それも書類を数枚書くだけで。
入居者は・・・住む家がない場合は大変みたい。
でも、要領がいい入居者はそんなに困らない。
なぜか?
当社管理物件の入居者には、住宅総合保険への加入が義務付けられています。
家財が燃えた=保険金が下りる
からである。
保険会社は被害にあった家財につきリストの提出を求めます。
形式的に全部書け、とは言いますが下着1枚から書けます?
そんなの無理です。
(下着180枚、各1000円・・・と申告していた女の子がいましたっけ。)
結果、主だった動産のみ申告させ、他は概算です。
契約内容にもよりますが、通常数百万円は引っ張れます。
思い出の品は戻りませんが、面倒なだけで決して困りません。
ひどい会社は、入居者の保険で得られる保険金を
『焼け太りはさせない!』
と意味不明なことを言いながら迷惑料・損害賠償etc.の名目で没収するという話を聞いたことがあります。
確かにある意味、迷惑はします。
でも、こちらも相当儲かります。
だから私はそこまではやりませんでした。
入居者に対し、会社の懐を痛めずに大きな恩を売る絶好のチャンスなんですけどねぇ。
静岡出身のA君。
お母さんが泣きながら電話してきた。
『あの~家賃の2重支払いがきついので工事急いでもらえますか?』
あ、いけね。
うっかり書類作成忘れてた!
保険会社の了承を口頭でとっただけだった。
っていうか、工事発注してないし・・・。
『あのね、お母さん。お困りかもしれませんが、うちはもっと困っているんですよ!』
またまた顧客に責任を押し付けてしまった。
その後、中古オンボロワンルームマンションが・・・
こじゃれた今風のインテリアに変身した事は言うまでもない。
物件燃やされたオーナーはご満悦。
入居者も
一番喜んだのは・・・募集担当者
ま、これが現実です。
(つづく)