そしてようやく事情が飲み込めてきた。
クリーニング代無料・・・泊り込みが多く、靴下、下着までクリーニングに出すのだ。
3食付・・・ディーリングルーム内で軟禁されているから毎食支給。
なるふぉど。
これは面白くなってきた。
俄然、ヤル気が出てきた。
この日以来、本当に本気で、ガムシャラに働いた。
月~金、ほとんど寝ない。
マーケットが静かなときに仮眠。
・・・と言っても、ブローカーの動きが出てくると自然に目を覚ます。
(注)当時の代表的なブローカーとは、東京フォレックスとか、上田ハーローなどです。
為替のニュースに毎回出てくる激しいやり取りの光景はすべてブローカーです。
土曜日に実家に、は出来なくなった。
休みの日は死んだように寝ていたのである。
起きると何時?ではなく、何曜日?だった。
時計を見ると3時。
朝?昼?っていうか何曜日?
毎週こんな感じだった。
しばらくすると、土日の休みもなくなり始めた。
そして、歩合を貰った。
初任給にしても、歩合にしてもほとんど使わなかった。
何しろ使う時間がない。
唯一?使ったのは 『定期預金』。
大学の同期の営業成績に貢献?した。
毎月40万円積み立てる契約。
『お前、いくら貰ってんの?』
一番入行したかった都市銀行に入行した同期に対し、勘違いの優越感。
(私は留学のため、1年留年しているのです。)
給料は毎月上がっていった。
その年の11月までは・・・。
(つづく)