ひと昔前のこと、娘の大学院の入試の発表があった。もうそろそろ娘から連絡があるかなと思って携帯電話を覗いたところ、電源が切れていた。私は毎日充電しているので、携帯の電源が切れることはほとんどない。ああ、落ちたのだな、と思った。夕方、妻が娘に電話すると、案の定、受かっていなかった。
実は、私は大学院の入試に3回落ちている。最初の年は、試験当日の夜明け前、尿管結石の疝痛が起こり、病院に駆けつけて鎮痛剤を打ってもらったが、その鎮痛剤が効きすぎたのか、もうろうとなって試験を受けることができなかった。2年目は、試験の1週前から眼に異物ができて、視界不良となり、悶々とした精神状態で試験に臨み、見事不合格となった。3年目は、順調に試験を受けることができ、期待半分で合格発表を見に出かけようとして腕時計を覗いたら、時計のハリが止まっていた。「虫の知らせ」のとおり、不合格であった。
また、私の母が重い病気で入院しているとき、娘と息子を母の見舞いに病院に連れて行ったことがある。母の病室に向かうエレベータの中で娘が突然理由もなく泣き出した。何か変だな、と思いつつ病室に入ったら母の病状が急変していた。母はそれからまもなくして亡くなった。
そういえば、御嶽山の噴火に遭遇した日、途中の道でサルの群れとつがいのライチョウを見たのもそうかもしれない。サルの群れは車道を左から右へと横切り、斜面を下って行った。つがいのライチョウは仲良く岩の上にいて、地獄谷の方を見ているようだった。これらの動物たちのいつもと違う行動は、噴火を予知していたのかもしれない。「虫の知らせ」を動物たちが伝えてくれたのだろう。