筆者最大の特技は家や工場を荒らしまわるネズミの捕殺です。
終戦直後…故郷の町中にネズミが増えすぎ懸賞金付きで
ネズミの捕殺に町役場が乗り出した。
ネズミの尻尾1匹分で10円と引き換えと情報に筆者は小躍りした。
家ネズミの捕殺は筆者の役目だった。
捕殺網籠は各家庭に在っても、餌を感度良く仕掛けるにはコツが要る。
クマネズミもドブネズミも手当たり次第に捕殺した。
家に出入りするネズミは居なくなった…それではと近所の野菜小屋へ
昼だと言うのに我が物顔に動き回るネズミ共・・・。
大人に混じり網籠を仕掛けるが餌が豊富で籠に入らない。。。
大人の中には背丈ほどの竹や棒でネズミを叩くが動きが早すぎ
ことごとく失敗。
ネズミを追い詰め叩いた人はネズミに噛まれ捕殺を断念。
そこで筆者が考えた捕殺法は子供にも使える背丈ほどの丸い棒を
垂直に立てネズミの直前まで近寄りネズミの真上まで上げた棒を、
ネズミの真上から力いっぱい打ち下ろす。
ネズミは断末魔の声を出し絶命…その声を聴いたネズミはその場で動けなくなり、数多くのネズミが捕れた。
ただ恐怖心が有る者には真似できない技だった。
すうどんや、す蕎麦が20円の時代ネズミの尻尾10円はホクホクだった。
町役場に持ち込むたびに吃驚された。
数十匹は捕殺したが、その内、筆者の足音を覚えたかネズミ共が居なくなった。
転職した米菓会社のネズミもたちどころに捕殺し終えた。
特技は未だあったがこの会社で発揮する場所は無かった。