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海藻で作った膨大な肥料を砂漠に撒けば、砂漠地帯の緑化に役立つかも❕❓

琵琶湖の新技術、海を渡る…カリブ海で大量発生中の海藻「サルガッサム」を短期間で堆肥に

従来の方法では年単位

 

 琵琶湖に繁茂する水草を短期間で 堆肥

たいひ 化する新技術が、大西洋や中米カリブ海で大量発生している海藻「サルガッサム」の処理に活用されることになった。従来の方法では年単位の時間がかかるが、新技術なら10日間程度で処理できるという。現地では観光や漁業に打撃を与えており、ドミニカ共和国で近く導入される。(大津支局 矢野彰)

ドミニカ共和国のビーチに漂着し、波打ち際を覆い尽くすサルガッサム(同和ライン提供)
ドミニカ共和国のビーチに漂着し、波打ち際を覆い尽くすサルガッサム(同和ライン提供)

 サルガッサムの漂着量や範囲は毎年変動するが、国際協力機構(JICA)のリポートでは、2022年6月には、大西洋全域の沿岸部で計2400万トン超の漂着を観測。深刻な社会問題となっている。

 

 現地でも堆肥化は行われているが、微生物の働きで有機物を分解・発酵させるため時間がかかるのが難点だ。これを解決するため、大津市の環境機器開発会社「WEF技術開発」の技術が使われる。

 

 同社は10年ほど前から、琵琶湖で駆除されたコカナダモなど大量の水草の堆肥化にかかる時間の短縮を研究。約5年前、他の物質と反応しやすい「活性酸素」で有機物を分解する「促進酸化処理」を用いる方法を確立した。

 堆肥化では通常、水草の丈夫な細胞壁が障壁となるが、活性酸素を入れて1時間ほど混ぜると、細胞壁が酸化して分解が促進される。そこに発酵を促す納豆菌、米ぬか、炭を加えることで、堆肥化に要する期間(2~3年)を10日程度に縮めた。完成した堆肥は、滋賀県内の農家が野菜などの栽培に試験的に使い、ネギやダイコンの収量を増やす効果が確認されたという。

 促進酸化処理は、焼却灰に残るダイオキシンなどの分解にも使われ、龍谷大の岸本直之教授(水質システム工学)は「本来は有害物質の分解に使う手法だが、促進酸化処理なら短時間で堆肥化が可能だ」と話す。

サルガッサムを堆肥化する装置(大津市で)
サルガッサムを堆肥化する装置(大津市で)

 この手法に目をつけたのが、カリブ海などで事業を展開する海運会社「同和ライン」(東京)だ。7月末、ドミニカ共和国からサルガッサム約50キロを取り寄せ、WEF社に持ち込んで堆肥化を実験。塩分を含む海藻では初の試みだったが、2時間程度で活性酸素による分解が進み、8日間で堆肥が完成した。

 立命館大学などの研究機関で分析すると、リンや窒素などを含み、「土壌改良材として適している」とのお墨付きをもらった。WEF社の青山章社長は「琵琶湖で生まれた技術が、地球の裏側で役立つならうれしい」と話している。

 

政府・JICA撤去や処理支援

 

 サルガッサムを巡っては、日本政府が2020年度から、ドミニカ共和国やグレナダ、トリニダード・トバゴなどに撤去・運搬用車両を無償資金協力の形で提供している。

 JICAも、処理や有効活用につながる国内企業の技術を調査。25年度以降に、ジャマイカやドミニカ共和国などでの堆肥化を目指す。

 食料や肥料の多くを輸入に頼る現地の食料自給率向上にもつながり、JICA中米・カリブ課の担当者は「農業・食料生産の増加につながれば、持続的な経済発展に貢献できる。堆肥化は実現可能性が高く、事業化を検討したい」としている。

 

 ◆ サルガッサム =根を張らず、塊となって海に浮遊するホンダワラ属の海藻。2011年頃から大西洋で大量発生し、メキシコやドミニカ共和国、グレナダなどのビーチに漂着するようになった。腐って悪臭を放つほか、海面をマットのように覆うため、海中の酸素濃度が低下し、魚の産卵場所になる藻場が枯れる影響も出ている。