世界から精子が消えていく | よかもん人生のブログ

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世界から精子が消えていく──生殖疫学者シャナ・スワンが「人類への脅威」に警鐘を鳴らす

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クーリエ・ジャポン

シャナ・スワン ニューヨーク市のマウントサイナイ・アイカーン医科大学の環境医学・公衆衛生学教授。環境・生殖疫学を専門とするPhoto: Getty Images

精子の数が1年で約1%減少している──環境・生殖疫学を専門とするシャナ・スワンは、2017年にこの衝撃的な数字を発表した。そしてその原因は、化学物質にあると主張する。

 人類は、このまま生殖能力を失ってしまうのだろうか? 【画像】世界が夢遊病者のように不妊の危機へと向かっている 2022年のある雨の日の夜、ジーンズにアンクルブーツ、カジュアルなシャツを着た小柄な女性が、コペンハーゲンにある巨大なデンマーク放送協会コンサートホールの舞台袖で出番を待っていた。彼女は、デンマークのNPO「サイエンス&カクテル」が主催する講演会に招かれていたのだ。

 聴衆の多くは講師より数十歳下の若い世代で、会場の雰囲気は講演会というよりロックコンサートのような盛り上がりだった。

  5月に87歳を迎えたシャナ・スワンは、重低音を利かせたテクノ音楽と拍手喝采に迎えられると、思わず笑った。

 会場が静まると、スワンは冷静にこれまでの研究者人生を突き動かしてきた目的について語りはじめた。 「これからお話しするのは、あるミステリーです。

 そしてできれば、その謎を解く手助けをしてほしいのです」 そのミステリーとは、「1930年代後半以降、世界各国で男性の精子の数が著しく減少しているようだ」というものだ。

 精子数の減少は当初、欧米諸国で観察されていたが、発展途上国でも同じ現象が見られる証拠が見つかった。

 しかも、それは加速していると考えられている。

 カリフォルニア大学バークレー校出身の統計学者で、その後疫学者に転じたスワンは、その理由をつかんでいると信じている。

  彼女は20年以上にわたり、体内の自然なホルモン分泌を阻害する内分泌かく乱化学物質(EDCs、環境ホルモン)が及ぼす影響の研究一筋に生きてきた。EDCsには、殺虫剤や、食品保存容器や哺乳瓶用にプラスチックを硬化させるのに使用されるビスフェノール類、包装用や園芸用ホースなどのプラスチックを軟化させるのに使用されるフタル酸エステル類が含まれる。

 そして近年では、母乳、胎盤組織、尿、血液、精液から微量のEDCsが検出されている。 スワンはコペンハーゲンの聴衆に、キッチンの食器棚や浴室収納、庭の物置にある「無害な製品」が男性の精子数を減らしているかもしれないと結論づけた。

 また、EDCsは胎児の生殖機能にも影響をおよぼす可能性がある。それだけではない。甲状腺機能のかく乱や、癌、そして肥満の要因ともなりうるのだ。

  つづいてスワンは、「玉と穴をつなぐ線」の話に移った。これは肛門性器間距離(AGD)を指す隠語で、肛門からペニスの付け根までの長さだ。聴衆は、彼女の重要な発見のひとつに熱心に耳を傾けていた。それは、AGDが将来の男性の生殖能力の予測因子として機能することだ。

 この発見が、「子宮内で発育中の胎児がEDCsに不用意にさらされると、害をおよぼす可能性がある」とする自身の論文の根拠となっている。  数週間後、ニューヨークの自宅にスワンを訪ねた。彼女は、専門外の一般の聴衆を前にして話すのは、完全に慣れることはないと語った。

  「ときにはペニスの勃起といった話もしますが、すらすら口をついて出てくる言葉ではありません」 それでも彼女を一般の聴衆の前に立たせているのは、世界が夢遊病者のように不妊の危機へと向かっているのではと、強く懸念しているからだ。

 もしスワンの仮説が正しければ、私たちは調理や食事、消費財の生産と包装の方法を見直し、製造工程を再考する必要がある。

  男性の平均精子数が減少しているのが事実としても、その理由は今も科学者のあいだで議論百出だ。

 そもそも、男性の精子数減少を心配する必要があるのかと疑問視する者もいる。

 (続く) 男性の精子が年々減少を続けていると主張するスワン。化学物質は、私たちの生殖能力にどのような影響を与えているのか。後半では、スワンの研究から人類が今、晒されている危機を検証する。

 

筆者の懸念は精子減少は人間など哺乳動物だけではなく、昆虫類にまで広がっている・・・。

 

日常のモンシロチョウやトンボ迄、生殖状態で飛んでいる個体が激減している。

 

海の生き物にも変異が起きているようで漁獲量が激減している。

 

筆者の子供時代は、蝶もトンボも蝉さえも煩いほど飛んでいた。

農薬の影響や、食品添加物等の使用が悪影響しているのかも知れない。

 

沈黙の世界」が現実化したようだ。