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故郷では盆の16日朝に玄関先で送り火を焚き、御先祖様を送り出す。
送り火の習慣は此方にはないが、送り出す習慣は変わりない。
祖父と父の残した、七言絶句の漢詩を御先祖様の思い出としてブログに残す。


私には漢詩の作詞能力は無く、盆が来るたびに思い出すのみである。
この父の子で良かった、合掌。
追伸; 漢文の読みとその解説を私なりに書いてみます。
祖父の作品: 釣りをやめ、家に帰りて自由をままとし
かって名利の心頭に至るなし
閑中の富貴、誰か我にしかん
落ちるな人間、第二流
その意味する所:
自由に釣りができるこんな気ままな暮らしをしている
いまだかって、名誉や富を求めた事はない
この閑を楽しんでいる中に富貴の心が有る事を誰か知っているだろうか
これが一流人たる心がけ、二流人となるな
祖父へ父の作品; 短身そうはつ智ひ、ほうりゅう
しゅう吏ひそかに美田を買うなか
奇策縦横、たんとに同じ
清貧に座し、説き諭す空の如し
胆(たん)斗(と)の如(ごと)し
「蜀志」姜維伝から、きもが一斗升のようである。非常に大胆であることのたとえ。
「蜀志」姜維伝から、きもが一斗升のようである。非常に大胆であることのたとえ。
その意味する所:
父は見栄えしない体でも霜降りの頭の中は知恵豊かである
醜い官僚達は秘かに子孫の為に財産を溜め込んでいる
そんな中で奇策を縦横に駆使する事は肝が据わった「たんと」のよう
父は清貧に甘んじ座ったままで説き諭している姿
カラリと晴れた空の如しです
父は清貧に甘んじ座ったままで説き諭している姿
カラリと晴れた空の如しです
祖母へ父の作品; 佛しょうとう院、花心に似たり
貞節、人に接し、親和、深し
常に身命を惜しまず範となす
みずから、長く、じくんを伝えて襟を正さん
その意味する所:
お母さんは、優しい花のような心を持っていた
貞節を重んじ、和を持って人に接しその真情は深かった
率先して身命を惜しまず人が模範としていた
この慈しみながら訓示する姿を襟を正して伝えます
私に漢文の心得が無く、こんな解釈しか出来ませんが父の意は汲んだ心算です。