役行者が開いたとされる板山不動尊は、俗世間から離れた場所にある。
数十年前訪れたときは赤土の山道であった。
今でこそ舗装道路が山奥まで伸び此処の脇道も舗装されていた。
今は上越市に編入され大島村は大島区となっている模様だが、
国道253号線儀明トンネルを抜けた「大山温泉あさひ荘」脇から舗装された山道をのぼる。

駐車場に車を停め、下に降りる橋を渡るとそこは異界の入り口、

犬たちは元気一杯、ノアは橋の隙間から身を乗り出してみていた。

橋を渡りきると気温が下がり目に見えぬ結界の霊気を感じる。
ここで結界に入る許可を心で唱える、結界に入る際はこれは基本、これで後の障りはない。
巨大な杉木立の中、小道が水成洞窟に向かって降りて行く。
参拝者の陰もなく、妻と二人、犬二匹がお供にいるが、ひしひしと霊感が増して肌が痛いほどであった。
行き帰りに文明の落とし物など一つもなく、有るのは杉落ち葉とわずかな藤の花びらだけ・・・

洞窟脇にある小滝は、不動滝、山奥の滝のある所は竜伝説が必ずある。
大島村周辺には竜にまつわる伝説が数多くあり、ここもその一つである。

間口30m、奥行き13m、高さ平均1,8m、昼なお暗い洞窟は不気味な様相で近寄りがたい。
洞窟を覆う岩盤の表面には自然に出来た模様が見る人により、鬼にも蛇にも写る。
妻も私も腰が引け、洞窟内部には進めない。
夜モードを忘れて撮した為、洞窟内が雰囲気そのままに写っていた。
洞窟内を撮した下の写真はあさひ温泉サイトからお借りした写真です。

帰り道に、庄屋の家が宿泊所と共に残されていた。


大規模な水成洞窟は阿賀野川の上流、福島県のの南会津下郷村に「塔のへつり」として知られているが、
ここは観光コースで、世俗に毒され今や霊感の微塵もない。
人知れず残されたこの板山不動尊、世俗に犯させたくはない。