2~4 手元にある最古本。良妻賢母の事例が書かれている。
明治24年印刷
日本人が本に親しまなくなり始めて久しい。
中年以下の青少年は、漫画文化とゲームの世界にのめり込み、活字離れが著しいようだ。
時代の流れとは言え、日本文化が忘れ去られそうな危機感を持っている。
父の世代の明治生まれの人達が本に対しどんな思い入れをしていたのか、
参考資料として、父の遺稿に書かれた文章を紹介する
上記写真の思い出の手記に、祖父から父が教えられた逸話が書いてある。
頼山陽だったかの、「日本外史」和綴本28巻揃いの漢文で書かれた本を読めと言って勉強机に積み上げられた時の話である。
「三尺さがって、師の影を踏まず」の気持ちで自分に知識を与えてくれる本に対し礼を尽くせの意が込められている。
今の教育は何もかも合理的にされ科学的である。
いづれが優れているか私にはわからないとの前置きがある。
祖父曰く;重要な所に色鉛筆で傍線を引いたり、仮名書きしたりは一切まかり成らぬ。
不審の所は、抜き書きし、別紙に仮名書きする事。
意味不明の所は、不審紙をはれ。
不審紙は広告紙などを、一寸破り、唾ではることだ。
わかったら直ちに取れ。唾は取りやすくするためだ。
如何に本を大事にしていたかがわかる。
大事な本は筆写せよ。それが自分の身に付くのだと言われたそうである。
明治38年生まれの父の時代の学問はすでに漢文だけではなかったため、一読しただけで祖父に返したと書いてある。
写真の本。漢詩の作詞法の本は父が晩年に筆写した物である。
本に対する心、貴方はどう判断されますか?