未だ血気盛んな20代の頃。
会社の仲間と連れだってはよく山菜採りやキノコ狩りで奥山に入った。
新潟県の入広瀬村の奥、五味沢の更に奥、山道が途絶える所まで入り車を止める。
一人二人では怖いので、五人の男がまとまって歩く。
山菜や天然のナメコなど見つけると少しずつ間隔が空いてくる。
熊の糞は彼方此方に落ちているし、ナメコは採りたいしで、回りを警戒しつつの採取である。
ガサガサっと音がして、ビクッとした時不意に人影が現れた。
相手も驚いたように、オオッビツクリした。又熊かと思った。
この先に熊がいたから、行かない方が良い。と言われた。イエッサーである。
仲間達と呼び合い場所を変える事にしたが、先程の人達は営林署の人であった。
栃尾市の笠堀ダム方面から歩いてきたとの事。
ここらは熊の生活圏だから素人は来ない方が良いと諭された。
少し山道を下ると、細い吊り橋がある場所に着く。
そこに車を止め、吊り橋を渡り、懲りもせず山に分け入った。その時である。
突然前方に熊が現れ睨み合いとなった。こちらは男五人で全員がナタを構える。
次の瞬間熊はもと来た道に逃げ出した。5人いなければ危なかった。
その後は二度とそこまで深入りする事はしなかった。
後にも先にも熊と出会ったのはこれきりである。マムシとは何度遭遇したかわからない。
今日、ブログ仲間の「田んぼの生き物」さんを訪問した時突然思い出し、この文を書きました。