私が未だ若い頃の話である。
越後田沢にあった妻の親戚に泊めて貰い、翌朝早めに帰る事になった。
山越えで八箇峠を越え六日町に出るコースを取った。
十日町からの山道は、運転しやすいが所々つづら折れがあり、紅葉は見事である。
山上を越えた近くには、右下に上の原公園「お松の池」があり池には珍しいやジュンサイが繁茂して、
7月上旬には摘み取られ、近くの旅館や料理店で酢の物として出される。
国道を下り途中左折すると、君帰観音堂がある。
ここにも義経伝説があり、文治3年[1187年]源義経が、都を追われ、落ち延びてきたとき。
聖観音像を捧持してこの大日堂に滞在した。追われる身、聖観音像を残して立ち去った。
この地に残る地名「君帰」とは義経の君が立ち去るとき、
村人達が何時までもこの地に残って欲しいと、望んで、
「君帰りおわすか」と残念がった事から、後の人が「君帰」(きみがえり)と呼び習わした事から
つけられたと言う。
こんな話を妻と交わしつつ、広い国道17号線に出た。早朝で快晴。
思わずスピードを上げて走ること、5分過ぎ頃、う~う~う~う~その車止まりなさい。
白バイが横付けで追い越し、止まれの合図。・・・シマッタ・・・
妻にシートベルト着用を指示し直ぐ停車。
警官が近づき、中を一別しニヤリとした。そして次の一言。
朝帰りですか?・・ホゥ~二人ともシートベルトされていますね。
安全運転に心がけされているのですね。
20劵ーバーですがシートベルトに免じ今回はなかった事にしましょう。
そのころは、やっとシートベルトが義務付けされ初めの頃。
褒美の意味もあるが、作戦勝ちであった。
ただあのニヤリの意味は、
近くにあった、モーテルからの朝帰りと勘違いしたのだと今でも思っている。
この実体験もなかなか得られぬ物である。