食品会社に勤務していた頃。配置転換で調合室勤務になった。
朝5時の出勤で、調味液作りをする。
暗い廊下を節約のため電気も付けず、調合室へ。
戸を開けた第一歩が、妙な感触、明かりを付けて仰天した。
太くて長い物を踏んでいる。蛇である蛇も驚いただろうが自分も驚いた。
前任者は蛇が出ることなど一言半句、伝達してはいなかった。
素手でつかむには大物過ぎる有に1.5メートルは超えている。
引き戸を開けたまま何とかお引き取りして貰った。窓の外が田んぼでは進入は容易である。
蛇が入るという事はネズミも入るはず。案の定室内にネズミの糞が多数有る。
ねずみ取りには自信がある。上司に報告した後捕獲開始。
資材が多く全部は動かせない。その日の内に捕獲機3個で4匹捕獲。
次の日冷蔵庫裏に巣を発見。生まれたての子ネズミ10匹捕獲。
しばらくはそれで終わりと思っていた。・・・所が敵もさるもの。
仕事中にも未だ顔を見る。捕獲機にも掛からず巣も見つからぬ。
外からの進入路は完全に遮断してある。・・・ここで発想の転換。
電気配線の様子を担当者に聞いた。
調合室の下にU字型のコンクリート管が施設され工場配線が通っていた。
蓋は在ったがわずかに隙間がある。ここが通路である。
通路を遮断した後、隙間から毒餌を入れ。隙間を塞いだ翌日。
人手を借りて資材移動。蓋を開けて全員ビックリ17匹ものネズミが死んでいた。
完全処理した後は蛇もネズミもいなくなった。
食品会社として怠慢この上ない。お陰で評価が少しは上がったようだった。