妖怪ブログ -3ページ目

妖怪ブログ

高山式部源宗東の描く妖怪の世界

不思議由来の家紋Ⅰ

鳳凰の骨を発見したため、家紋を変えた大名家


家紋には大抵、その家で使うようになった「いわれ」がある。

たとえば、美濃の土岐氏は、一族の多くが「桔梗」を家紋とするが、そのいわれは、鵺退治で有名な先祖源三位頼政が、陣中で檄文をしたためようとしたところ一滴の水もなく、たまたま咲いていた桔梗の花を絞って硯水となし、これを以って文をしたため、無事加勢を得て勝利した故事に由来する――と、これは末裔の一家、太田道灌などを輩出した太田家の家譜に見える(『寛政重修諸家譜』)。



また、土佐の大名山内家の「三つ柏」紋は、先祖がある戦場において柏の枝を指物に用いて活躍したが、戦闘が終わった後にみると、あれほど茂っていた葉がたった三枚になっていたことを記念したものという。


第10話



中には、世にも不思議な話に由来する家紋もある。


江戸時代に備中新見一万八千石の領主であった関家は、元禄年間に現在の浜離宮あたりに江戸屋敷を賜った。
この時、屋敷の整備をおこなっていると、海から流れ着いたとも、出土したともいわれているがともかくも、見慣れぬ大きな鳥の頭蓋骨が発見されたという。


どうやら鳳凰の骨らしい……ということで、これを瑞兆と喜んだ関家の殿様は、もともとの定紋であった「鶴の丸」を、「鳳凰の丸」に変えたという。鳳凰紋は他の家でも使用例があるが、実物(?)を発見してこれを定紋とした例は珍しい。


ところで、蛇足な種明かしをすると、イルカや小型の鯨の頭蓋骨は、ちょっと鳥に似ている。むろん、そんな大きな鳥は江戸時代当時存在しなかったから、「鳳凰に違いない」と判じた……ということも、充分にあり得る。

骨が発見された場所が、海に近い浜離宮というのがミソである。






髙山式部源宗東 識

※当ブログの無断転載・転用を固く禁じます。



妖怪・妖精・幽霊 ブログランキングへ

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 幽霊・妖怪・妖精へにほんブログ村


LINEクリエイターズスタンプビックリマーク
lineスタンプショップ用01