おはようございます。
前回読んで下さった方も、初めましての方も、
ご訪問頂きありがとうございます。
いいね・読者登録して下さった方にも、
お礼申し上げます。
豊かな緑が恋しいこの頃…。
薬物学を学ぶようになってから、
改めてシミジミ思うようになったのは、
「不調や未病を意識した時は、
漢方外来・漢方薬局へ相談に行って頂きたいな」、ということ。
ご自身のちょっとした工夫や、補完療法で何とかなっているうちは、
それでもいいのかもしれません。
ですが、人が本格的に不調を感じ「マズい」と思う頃は、
大抵すでに色々なことが進行していることが多い。
(この段階で検査に行けるなら、まずそちらへ!)
そして、生活習慣や持病と複雑にからんで、
どツボにはまった頃に、
ようやく動き出し始める。
…そうやってバランスを取り戻すタイミングを、
次々と逃してゆくのではないでしょうか。
ドラッグストアを見ていて気になるのは、
漢方薬のパッケージに、
「どんな方へ」か大きく書いてあることです。
もちろん目安は必要。
でも、その薬の使い方が限られていることには、
??( ´Д`)??
…大きな疑問が残ります。
(それが合わない方もいらっしゃるかもよ?)
漢方には、同病異治・異病同治(どうびょういじ・いびょうどうち)
という言葉があります。
人の体質はそれぞれ異なるのだから、
同じ病でも治し方は異なるし、
違う病でも治し方が同じになることはある…という考え方。
そして、「治し方」が同じということは、
一見まったく関係がないと思われる症状でも、
「同じお薬を使うことがある」ということです。
もこもこのコケ、かわいらしい。 ( *´艸`)
以前の授業でどなたかがおっしゃっていました。
「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、
いつからダイエットの薬になったの?」
テレビで盛んにCMを打ってますね。
年の瀬・年明けと飲食の機会が増えることに合わせて、
これでもか!の勢いです。
では、その特徴は?
防風通聖散の特徴は、
「身体のあらゆる排泄機関を使って、余分なものを外へ出す」
…というものです。
それによって気血水の流れの改善を図ります。
身体の中の「詰まり・滞り」を出す。
ということは、それを使う方は、詰まっている方。
「詰まり」と聞くと、便を想像される方が多いと思うのですが、
無理やり出させようとするのですから、
当然、体力のある方でないといけません。
また、「詰まり」には水も入ります。
尿から汗から出させます。
ムリに汗をかかすのですから、
乾燥している方には使えません。
気血水を動かすためのものですから、
「詰まり」には血も入ります。
ムリに血を動かしてはいけない方には、使えません。
ここまで読んで頂いたら、だいたい想像つくと思うのですが、
このお薬を使う方には条件があります。
体力が普通にちゃんとあり、虚弱でない方。
出そうとするのですから、妊婦さんもダメです。
お薬が移ってしまうので、授乳中の方もダメ。
お年寄りやお子さんも、注意やお医者さんの判断が必要…。
漢方薬の注意書きには、
よく「体力中程度」「体力が普通にあり」など書いてありますが、
ダイエットをしようと前のめりになっている人の内の、
いったいどの位の方が、自分を「普通以外」とするのか。
「お年寄り」より少し若い方、
「お子さん」より少し年齢が上がった方は、
自身をどう捉えるでしょうか。
下痢状態くらいなら、
当たり前のように受け入れてしまいそうです。
「だって、出てなかったんだから」と。
そして詰まる度に、
何度でも下剤のように扱うのかも。
「だって、デトックスでしょ」と。
何だかいろいろな事が間違っています。
((( !*_* )) 危ないよー!!
…自前での判断は難しい。
では、ダイエットでなければ、
元々はどんな時に使っているものなのでしょうか?
近くでみると、成長のチカラを感じます。
防風通聖散の防風は、風邪を防ぐ、
通聖は、聖(便)を通じさせる、から来ています。
カゼで寒気を感じ、
発熱により目が充血・めまい・ボーっとしたりする、
内側から潤いをうばわれ、
口渇・黄色い尿・便秘などになる場合に使われています。
あるいは、「詰まり」「熱」を取ることから、
便秘によるニキビ(炎症してるもの)などにも。
カゼ薬とニキビが同じ薬?
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、先ほどの異病同治を思い出して下さい。
「違う病でも、治し方が同じになることはある」…でしたね。
こんな風に、1つのお薬で色々な使い方をすることがあります。
ここもいつかは、もこもこに…。
そして、それを判断をするのは、
漢方薬局・漢方外来の薬剤師さんです。
(ドラッグストアには、解る方がいない場合があるので。)
中には自分で判断できる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、理論と臨床は異なる事が多いそうです。
薬物学の授業でも、
「ここにこう書いてありますが、実際、臨床ではこういう使い方はしません。」
「これを使うことは、あまり…代わりに○○を使います。」
等、出てくることが多いです。
現場を踏んでいる方が持っている、
情報やノウハウは、実戦を生き残ってきたモノ。
できればそちらを利用して欲しい。
同じお代を支払って、
合わないものを選択したために、
「○○って薬、ぜんぜん効かなかった」なんて事になったら、
あまりにも、もったいない!
漢方薬がわからないなら、
「自分に合った△△の時に使える薬は、あるか?」と、
尋ねてみればいいんです。
いろいろ尋ねているうちに、
生活習慣の見直しに気が付くかもしれません。
意外な情報にも出会えるかも。
皆さまにとって漢方や漢方薬が、
より近いもの、親しみやすいものになるよう、
願っています。
ドンドン聞いてしまえ~!! ヽ(*^_^*)丿
豊かなもこもこ・フカフカが広がります…。