mizusumashi-tei みずすまし亭通信 -7ページ目

すべてがFになる

 

居座り大寒波のおかげで(安心して)自室に籠り森博嗣の「S&Mシリーズ(全10巻)の第4作『詩的私的ジャック(1997)講談社ノベルズ』を読む。S(犀川創平)M(西之園萌絵)で、S&Mシリーズということらしい。森博嗣の『ゾラ・一撃・さようなら(2007)集英社』が案外おもしろかったので。

 

 

主人公は国立N大学工学部建築学科3年生の西之園にしのその萌絵と、補佐役的な助教授(30代半ば、そこそこ優秀な人物らしい)犀川創平。ふたりとも理系的思考持ち主で周りからは変人扱いされいて。まぁ浮いている。好奇心を持て余し気味の萌絵に引き込まれ事件に関わっていく。

 

このシリーズは以前、武井花・綾野剛の主演『すべてがFになる(2014)』でドラマ化されているが『詩的私的ジャック』を読む限り、このキャスティングはちょっとイメージが違うかな。

森博嗣:詩的私的ジャック(1997)講談社ノベルズ

 

「研究ってね。何かに興味があるからできるものじゃないんだよ。研究そのものが面白いんだ。目的を見失うのが研究の真髄なんだ。君(萌絵)が、今、殺人事件に夢中なと同じ。君だって、殺人が好きなわけじゃないだろう?(犀川)

 

大学のキャンパスを夜歩くと暗くて怖いくらいだが「暗いことはむしろ二次的な効果で、光が少ないことは問題ではない。光は電波であり、人間の視覚はただのアンテナである。電波は磁気の振動であり、振動は、電子の回転運動の結果に過ぎない。しかし、ここにあるものは、円周率と虚数と指数の関係を式化した単純な方程式に現れるような脅威だ。(犀川)」という思考をする。

 

朝撮り写真

 

「煮物のような方ですね。鵜飼さんは(萌絵)

 

困った相手には、意味のない言葉(ジョーク)を言うに限る。と、これは犀川助教授に伝授されたテクニック。このコンビは本作で三つの(密室にする意味のない)密室事件に遭遇し、しばし悩むことになる。

 

朝撮り写真

 

上掲写真の手前で老人が運転する軽自動車がスタックし、無視もできず脱出の手伝いをしたところ、お礼に浪花屋の「柿の種」一袋をいただいて。