山田風太郎:黄色い下宿人(1953.12)雑誌 宝石
一昨日のブログでシャーロック・ホームズのパスティーシュ『クリスマスの依頼人』を取りあげた。となれば、われらが山田風太郎の『黄色い下宿人』について触れなければならない。
雑誌『寶石(昭28.12)』に掲載された作品で、ホームズと英国留学中の夏目漱石が邂逅するというもの。真相を微妙にはずすホームズをなにげに反駁する(われらが)漱石の名推理を誇るものである。ただ、その漱石も神経衰弱に悩まされ、なかなかの奇矯ぶりで薄気味悪いw。
この作品は、島田荘司『漱石と倫敦ミイラ殺人事件(1984)集英社』を準備したばかりでなく(おそらく)明治の文豪探偵登場の始まりではないか(確信はないけど)。江戸川乱歩賞を受賞した海渡英輔『伯林―一八八八年(1967)講談社』では留学中の若き森鴎外が密室殺人に挑んでいる。
山田風太郎はこうした歴史上の人物を登場人物に仕立て、あの傑作『明治小説シリーズ』を書き上げることになる。『黄色い下宿人』は、講談社版・大衆文学館シリーズの山田風太郎『奇想小説集(1995)講談社文庫』所収のものを参考にした。
雑誌 寶石⑵
雑誌 寶石⑶
雑誌 寶石⑸ 雑誌 寶石⑴
雑誌 寶石⑷
戦後ミステリ界を牽引した雑誌『宝石』は多くの作家を育て、現在のミステリ全盛の時代を築いた礎となった。鮎川哲也.他 編集の『宝石推理小説傑作選 第3巻(1974)いんなあとりっぷ社』に、雑誌『宝石』の書影が載っていたので掲載する。第1巻〜第3巻に分載されていて、とりあえず第3巻の画像のみを。






