田山花袋。少女病/物乞いする北川景子 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

北川景子

 

今朝出かけにテレビを点けたら、北川景子さんが物乞いをされていてびっくり。あげくに小銭を投げ入れた紳士が、頭をさげないといって頰を平手打ちする。叩いた俳優さんも心苦しかろうとは存じまするが、演技であっても許せませんね.w

 

 

田山花袋:少女病(2008)青山出版社

 

田山花袋の明治40年に発表した短編『少女病』を、写真集&作品で再構成した文庫サイズの企画本。初老の杉田古城は道々で見かける若い女性たちの観察が楽しみ。もっとも「少女熱」とあるからロリータのことかと思いきや20歳前後の女性(女学生あたり)が対象。ただ、老人風に描かれた杉田の年齢は37歳で、明治末の感覚ではそういった感じなのかな。

 

杉田古城の設定は(少女ものを得意とする)作家で、一時は流行に乗ったものの、現在は生活のために出版社で編集を手伝っている。その杉田の「少女熱」によって悲劇が…

 

『少女病』は田山花袋の代表作『蒲団』が書かれた時期の作品。かつ、ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ(1955)』が発表される半世紀ほどの前の作品になる。

 

 

明治時代の作品がこうして新版が出るのだから、花袋『少女病』は現在でもスキャンダラスな訴求力がある? 個人的には小説&写真集みたいな構成は好まない。図書館のリサイクル本をいつものように表紙カバーを付け替えて読み返した。