宮﨑あおい
高瀬乃一『貸本屋おせん(2022)文藝春秋』は、第100回オール讀物新人賞受賞作を含む5篇の連作集。 舞台は、文化年間の江戸浅草。係累もなく女手ひとつで担ぎの貸本屋を営む男まさりの江戸っ娘〈おせん〉の奮闘を描く。歳は20をいくつか越えて、当時としては薹が立ち始めているが、野菜売りの幼馴染・登がぐずぐずと口説いている。
ところで、おせんの父は腕のいい彫師だったが密告によって奉行所に検挙、指折りの刑に処せられ後に自死する。母にも捨てられたおせんは担ぎの貸本屋を生業に、折々持ち込まれる頼まれごとから事件に巻き込まれる。
高瀬乃一:貸本屋おせん(2022)文藝春秋
大河ドラマ『べらぼう』じゃないが、江戸の出版業の末端(店を持たぬ貸本行商)の生態を描いていて着眼がいい。のだが、筋立てにやや不満が残る。そこは新人作家なので。すでに続編が出版されていて図書館本貸出の順番待ちをしている。
イラストはおせんのイメージをつらつら思い巡らせたところ、朝井まかて原作のドラマ『眩くらら』で北斎の娘応為を演じた宮﨑あおいはどーだろうか? ちゃきちゃきの江戸娘に似合いそう。
熾火のような夕雲が


