東州勝月。雑誌 百花園の絵師 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

雑誌「百花園」口絵:東州勝月

雑誌「百花園」口絵:東州勝月

雑誌「百花園」口絵:東州勝月

 

昨ブログの続き。明治時代の雑誌『百花園』の口絵で眼をひくのは、水野年方門下の東州勝月(小島勝美)だろう。詳しくは wiki で。大判の錦絵なども多く描いており、昨日のブログでも書いたが、川越藩の士族で戊辰戦争で彰義隊に加わっている。

 

都の花(1891.01)金港堂

 

都の花(1889.01/1891.01)金港堂

 

やはり明治時代の雑誌『都の花』は、尾崎紅葉の『二人女房』を掲載するなど文学雑誌で、手元の雑誌には尾崎紅葉、山田美妙、二葉亭四迷、森田思軒らの名がみえ、挿絵画家には渡邊省亭、松本楓湖、鮮斎永濯、月岡芳年、武内桂舟、富岡永洗、そして小島勝月が参加している。

 

尾崎紅葉:二人女房 都の花 初出合本

 

上掲は尾崎紅葉が『都の花』に三回に分けて掲載した『二人女房』の合本で、挿絵は武内桂舟、水野年方、もう一人は不明氏が描いている。写真は桂舟です。

 

画家については落款で確認している。主に山田菜々子『木版口絵総覧(2016)文生書院』を利用するが、高額なところから図書館本の必要な部分をコピー製本して使わせてもらっている。大変な労作でカラー図版が必要なときは図書館を借りだす。手元に欲しい一冊です。

 

山田菜々子:木版口絵総覧(2016)文生書院

 

この『木版口絵総覧』には絵師&落款だけではなく、彫師、摺師に加え、口絵の小説を書いた作家、出版元なども掲載されていて検索に極めて便利。『百花園』口絵の多くは「内海彫」と刻されているところから「二六新報」の仕事をしていた内海峰吉の仕事だと思われる。