年寄りは貧乏でも孤独でもいい | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 橋本治:いつまでも若いと思うなよ

 

昼休み散歩の途次、新刊書店で橋本治「いつまでも若いと思うなよ(2015)新潮新書」を見つけ読んでみた。仏教によると、人が受ける必須の苦しみは「生・老・病・死」四苦といっている。なぜか(八苦を入れても)ここに〝貧〟がないのは、そうした俗なものは数に入れない?

 

出家する人は裕福な人だから〝貧〟は眼中にないか?〝貧〟乏人はマルクスが登場するまで、ひょっとすると人としてカウントされていなかった? 橋本治の晩年は〝病→老〟に塗り込められた感があるが、橋本らしく飄々とやり過ごしている。まぁ、それにしても「いつまでも若いと思うなよ」である。

 

花散って埋火(うずみび)に似て(04.17)

 

頭髪も半白とあいなり外観はどうみても老人なのに、困ったことに脳内では「まだまだ」と猶予を乞うている。老人のなり手がいなくなっては、日本中は〝若いもン〟ばかりで溢れかえってしまう。若者はアンチエイジング(抗加齢)はしないのにね。橋本いわく「年寄りは貧乏でも孤独でもいい」とある。