松山巖。ジュリー意地のドタキャン | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 沢田研二の古希コンサート

 

ジュリー沢田研二〝意地のドタキャン〟の話題で持ち切りだが、ここはジュリーと彼のファンの間の問題としておきたい。現時点ではジュリーへの非難が多いようだが、彼(も古希を迎えコアなファンに支えられ、その)わがままを許せる雰囲気が(もし)あるのであれば〝ジュリーらしい〟で済ませてあげたらと…

 

 松山巖:乱歩と東京(1984)ちくま学芸文庫

     都市という廃墟(1988)新潮社

     まぼろしのインテリア(1985)作品社

     うわさの遠近法(1993)講談社学術文庫

     路上の症候群(1978-2000)中央公論新社

 式場隆三郎,他:二笑亭綺譚(1988)ちくま文庫

 

書庫整理の途中で眼についた松山巖本の拾い読みが後をひき、図書館本や「路上の症候群」をネット買い、関連本を読み返してみたりと就寝前が忙しい。掲載本はどれも興味深いが、集団自殺、連続放火、連続飛び降り自殺、若年者による浮浪者襲撃などの現場(建築物)を実際に歩き、松山自身が感じた小さな疑問を、疑問としてあきらかにするための試み、といった(建築学的社会学的な)内容である。

 

松山巖は建築畑の出身で、視点の中心には事件が起きた現場、おもに建物の構造や地理に寄り添いながら、事件の座標軸をあきらかにしようとする。路上(建築物)観察者としての経験値の高さと広い視野を感じさせる文脈で思わず引込まれる。(悪い癖だと思うのだが)掲載の松山本関連本を同時並行的に楽しんでいる。