ネーションズリーグ。小林泰三のドロシイ殺し | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 ネーションズ・リーグの黒後愛・石井優希

 

1ヶ月をかけて5カ国を転戦するバレーボル・ネーションリーグ予選最終ラウンドの日本代表女子は、3試合ともフルセットにもつれこんだ熱戦に2敗して7勝8敗で終戦、上位6チームによるトーナメント決勝ラウンドには進めなかった。ほぼ通して出場した新人黒後は戦力として定着、期待の石井はもう一息か?

 

欧米チームに比べ身長体格に劣るアジアチーム(日本・韓国・タイ)は戦略で応じることになる。日本代表はセッターへのすばやお返球による高速攻撃、サービスやバックアタックの工夫ヴァリエーションなど様々試したが、うまくいったりいかなかったりでなかなか大変そうだ。頑張って欲しい。

 

小林泰三:ドロシイ殺し(2018)東京創元社

 

小林泰三による〝邪悪で可愛い三部作〟最終巻「ドロシイ殺し」はオズ(の魔法使い)国の殺人事件を扱うファンタジー・ミステリ・ホラー。ファンタジーの世界と地球の人物はリンクしていて、どちらかの世界で事件が起こると一方の世界に反映される。大半が無駄話で埋めつくされるトンデモ本ながら、一定の(奇想天外な)結末が用意されている。

 

さすがに3作目なのでたいがいなことでは驚かなくなったが、初巻「(不思議の国の)アリス殺し」に驚倒して、つい三部作つき合ってしまった。その三部作の表紙絵がなんとも可愛らしくて、最後は表紙に惹かれて読んだというところかな。表紙を描いたのは丹地陽子で、すばらしく可愛い。

 

蕺草が咲く風景

 

 群れて咲き群れて寂しどくだみの灯して昏き

 ちょうちん揺るる

 

 まなこ閉じ君が乳房をまさぐりし日の

 雨に薫るやなでしこの花