村上浪六の研究資料 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 近代文学研究叢書53(1982)昭和女子大

 

村上浪六の研究本を探していたら昭和女子大が編集した「近代文学研究叢書53」に収められていた。浪六の著作年表、資料年表も揃っていて(さすがに研究者は)すばらしい。以前から気になっていた山本周五郎「樅ノ木は残った」と浪六「原田甲斐」作品との関連については、やはり「大悪人甲斐という通説を覆し、こうした視野でとらえたのは浪六が最初」とある。

 

「原田甲斐の心事を解釈したものとしては、私はこれほど面白い歴史小説を知らない(柳田泉:明治の歴史小説研究)」とあり、柳田は浪六歴史小説の傑作だと評価している。資料年表の一覧から「大衆文学研究20号 特集・山本周五郎」に浪六作品への言及があるようすなので取寄せ中だが、どんなものだろう。ところで「研究叢書」から浪六関連の部分(赤松昭執筆)をコピーして手製本させていただいた。

 

 里見弴:愛と智と

 

本や函をそのまま額におさめて飾っている。里見弴の「愛と智と」から、上写真が函、下写真が本を開いて。