最近の読書から | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

 

 北森鴻の作品

 

最近の読書から。このところ疲れきっていてメンドーなものは脳が受け付けない。北森鴻の未読本を100円古書で買ってきた。「パンドラ’Sボックス(2000)光文社文庫」はデビュー前後の作品を集めた(作家北森鴻ができるまで、みたいな)初期作品集。「孔雀狂騒曲(2001)集英社文庫」は〝冬狐堂シリーズ〟のスピンオフ作品で〝骨董屋・雅蘭堂シリーズ〟中年の店主越名集治と女子高生アルバイターの(読後感のいい)コミカルミステリー。

 

感傷系ハードボイルド「親不孝通りディテクティブ(2001)講談社文庫」に「メビウスレター(1998)講談社文庫」は、ちょっと「うさぎ幻化行」と似たテイストを持っている。


 赤川次郎:探偵小説(1984)角川文庫

 

亡き叔母の蔵書を整理していたら、こんな本が。素閑貧のよれよれ中年探偵(といったって松田優作だもンね)とお嬢さま女子大生の恋ですか…いいもンですね。赤川次郎「探偵物語(1982)角川文庫」。角川春樹が出版と映画をリンクさせて絶好調だった頃ですね。薬師丸ひろ子、原田知世、中越典子など次々デビューさせた。薬師丸ひろ子主演の「セーラー服と機関銃(1981)」は(長廻しで有名な)相米慎二監督に、あの田中陽造の脚本でしたからね。劇場で観ました。「探偵物語(1983)」は観ておりませぬ。

 

 撃ちやみてセーラー服に機関銃。肩にかついだ

 時代のありて

 

 身震えぬ。勇ましいことなんてしかたなく

 やるのよ、おそらくみんな

 

 北村薫:覆面作家シリーズ(1997〜99)中央公論新社

 

北村薫の「覆面作家シリーズ」を読むのは3回目?4回目? 北村独特のペタペタした比喩にちょっと辟易しながらも、つい読んでしまう。こちらも大富豪お嬢さまと中小出版社の編集者との恋。第2作「愛の歌」は誘拐・殺人と大ネタを扱っている。(我らが新潟県出身の)高野文子の表紙絵&挿画は秀逸。以前〝ともさかりえ〟主演「お嬢さまは名探偵(1998)NHK」でTV放送された。これは良かった。DVDがあったら見直してみたい。

 

主人公の新妻千秋は極端な内弁慶ならぬ〝外弁慶〟で、お屋敷にいるときは絵に描いたような深窓の令嬢なのに、お館を一歩とびだすといきなり巻き舌ベランメー調になっちゃう。今リメイクするとしたらだれがいいのかな? ちょっと前だと松たか子あたりがピッタリなんだけど。「小さいおうち」で共演した黒木華なら演技力でやってくれるか。「ハードナッツ」橋本愛は案外ハマるか。それとも思い切って、秋篠宮佳子内親王のご出演を請うてみるというのは、アリか?

 

 LLサイズのKISSを贈るって〝KILL〟って

 いうこと。怖すぎる愛 ( 覆面作家愛の家,より

 

ということで、中年男と女子高生&女子大生のコンビは(いじましきオヤジの妄想ゆえ)永遠なのか? それにしてもひと時代前のラノベばかりだな。