吉田貫三郎の新儀礼 挿絵原画 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
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 吉田貫三郎:新儀礼 挿絵原画

最近のコレクションから。吉田貫三郎の「新儀礼」のための挿絵原画9点。吉田貫三郎(1909—1945)についてはネットデータを載せる。

兵庫県明石市生まれ。昭和4年上京して東京漫画新聞社に入社。横山隆一、近藤日出造、矢崎茂四らの「新漫画派集団」に参加、当初は漫画を描いた。昭和8年頃より「新青年」などで小説挿絵も手掛け「サンデー毎日」浅原六朗を手始めに、久生十蘭「魔都」などのミステリーほか、井伏鱒二、吉川英治「大都の春(時事新報)」、岡田三郎「舞台裏(毎日新聞)」の挿絵を描いた。戦時中、召集されて広東で戦病死している。

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古書あさりをしていると時おり吉田貫三郎の装丁挿絵に遭遇する。「新青年」関連本は高額でまったく手にすることはできないが、吉田の装丁は抑制が利き好感を抱かせるものが多い。36歳で戦病死ということで惜しまれるが、彼には「随筆 蟹の爪(昭和18年)地平社」一著が残されている。手に入れた挿絵はすべて数百円ほどで落札したもので、忘却画家ゆえ値もつかないといったところか。ただ、一点だけどうしても欲しい作品があったのだが落札しそこねてしまった。まことに悔やまれる。

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 吉田貫三郎:靖国之絵巻より(1942)

こうしたおっとりとした中庸感が心地いい。