宮野叢子の鯉沼家の悲劇 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
宝石鯉沼家01
宝石鯉沼家02
 宝石:三周年記念特大号(昭24.03)岩谷書店

女流ミステリの草分けの一人(われらが新潟県出身の)宮野叢子「鯉沼家の悲劇」初出誌が見つかった。前ブログで描いたごとくでとりわけ付け加えることもないようだ。雑誌後半に一挙に「300枚読切」と謳って掲載されるが、300枚というのはちょっとお手盛りかも。扉の前ページ推薦文に、江戸川乱歩は自身編集の「宝石選集」に、まず本格ものをと思ったが(高木彬光の)刺青殺人事件につづく作品が得られない。待てずに宮野叢子を載せるなどとある。

木々高太郎は村野の師ともいえる存在で戦前からの付き合いである。挿絵は嶺田弘、戦前から現代もの家庭小説の挿絵で知られる。戦後は紙質が悪くインクの乗りが悪いのでペン画で描かれることが多く、嶺田らしからぬタッチとも言える。ただちょっとタッチにバラツキがある感じ。表紙絵は瀬島好正、他に山名文夫、中尾進、今村恒美、村上松次郎、玉井徳太郎、三浦唖乃、高木清など挿絵画家手堅い面々が名を連ねている。

宝石御水
 南洋一郎:妖術師 鈴木御水 挿絵

やはり(われらが新潟県出身で、ポプラ社の冒険もの&ルパンシリーズでお世話になった)南洋一郎の巻頭絵物語で、挿絵は(年配の人には懐かしい)鈴木御水が描いている。

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