山田奈々子の口絵名作物語集 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
美人口絵
 山田奈々子:口絵名作物語集(2006)文生書院

山田奈々子による口絵研究本が幾冊が発刊されているが(おそらく)発行部数が少なく、カラーページがふんだんなことから少し値が張る。ところが明治時代に発行された雑誌「文藝倶楽部」の中から選別解説した「美人画口絵歳時記(2008)」を安価で入手できた。そこで、久しぶりに図書館から「口絵名作物語集」を借出して、併せて楽しんでいる。内容は「口絵名作」のほうが断然いいのだけれど「歳時記」では「文藝倶楽部」口絵を描いた22名の絵師が展望できるのがうれしい。

日本美人史
英忠
 栗島狭衣:日本美人史(明治39)木版口絵 河合英忠

栗島狭衣(さごろも)は名女優栗島すみ子の父親、彼も俳優であり演出家、脚本家、文筆業にも精をだしている。河合英忠は右田年英に師事、能画・歴史人物画・風俗画を能くしたが大正10年(1921)惜しくも39才で没した。

英朋
 鰭崎英朋 挿絵

栗島狭衣「日本美人史」は、いまさら読んでもというところなのだが、鰭崎英朋の挿絵が2葉挿入されている。しかも状態のいいコロタイプ印刷だったので、つい買ってしまった。栗島狭衣と鰭崎英朋のコンビは「角觝画談(1930)」でも見られる。申しわけないが河合英忠の代わりに英朋の木版口絵&装幀だったら、ちょっと手が出ない古書価になっていただろうにね。昼休み散歩途中、馴染みの古本屋さんで函欠本4,000円。ただし、他数冊オマケしてもらった。

英朋美人画