日本のアールヌーボーと非水 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
非水01
 日本のアールヌーボー(2005)図録
非水02
 杉浦非水展(2000)東京国立近代美,愛媛県美

知人のブログに歌人杉浦翠子は、明治大正時代に活躍したデザイナー杉浦非水の妻と紹介されていて驚かされた。手持ちの図録略年譜にちゃんと記載されているのに、うかつでした。以前、非水風の図案原画を手に入れたことがあって、それまであまり意識になかった非水を調べるために、こうした図録を求めたはずなのにね(まことに)うかつでありました。非水は一時俳句に凝ったようで〝翡翠郎〟などと号し、やがて〝非水〟を用いるようになった。

妻翠子(すいこ)の名前に重ねるように〝翡翠郎→非水〟を名のったごとく、仲のいい夫婦だったようですね。日本が影響を与えた西欧の世紀末美術に、再び日本の(特に商業)美術界が影響を受け、日本全体がアールヌーボー(&アール・デコ)様式に感染していく。この辺りは日本と西洋がキャッチボールしているようであり、日本人が改めて(近代の)デザインという方程式を学び理解した時代だったような気がする。