ピエール・ロティ「お菊さん」野上豊一郎訳(02 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
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 Pierre Loti: Madame Chrysantheme(1888)挿画

ピエール・ロティは日本での出版は考えていなかったから、時に辛らつな表現になってしまったのだろうが、パリではジャポニスムが流行しだしたころで「お菊さん」はかなり読まれた。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホは弟のテオに読むように薦めているし、この本に影響されて「ムスメ」と、ロティの僧院での記述から「坊主頭の自画像」を描いている。また、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」作曲のきっかけとなったのは有名らしい。

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 ゴッホ:La Mousmé(1888年)

結局、ロティは夜が恐くて水汲みにいけない、提灯に蝋燭も立てられない(未成熟な)“ムスメ”少女と同棲したことに不幸があった。夏の夕方には決まって行水をするのだが、隣人や通りすがりの人に裸体を見られても平気なのが理解ができない。(当時の)日本の女性の体格は貧弱で、しかも幼いお菊さんのヌードにかなり幻滅している。それでも一応は西洋人らしく女性に手を貸し、妻としてのお菊さんの面目を失しないようにふるまってはいる。

さて、突然パソコンが毀れてしまい新しいパソコンの注文や、当座の連絡にと休眠パソコンに復活頂いたが、仕事はならずストレスはかさむ。パソコンが仕事だけでなく、いかに安易で、ゆえに欠かせない暇つぶしの道具でありますか。さて常態にもどれるのは、いつ?