印刷史研究会「本と活字の歴史事典」 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
みずすまし亭通信-麻の葉綴
製本:上田徳三郎口述:HONCO on demand 復刻版

活字は11世紀半ば中国で考案され、最初は陶製→木製に韓国李朝に伝わり、ドイツのグーテンベルグは15世紀半ばに活版印刷術で聖書を印刷している。日本には16世紀末に宣教師ヴァリアーノによって印刷機が持ち込まれた。ここで、昨ブログの「連綿体木活字」が登場するのだが、宣教師たちは連綿体の発想は持たなかったと考えると、やはり日本人の誰かということになるが、残された「嵯峨本」は布教に関連した内容ではなし、さて?と疑問が残る。

一般に「きりしたん版」といわれる、これら初期活版をめぐる謎は解かれていない。印刷史研究会「本と活字の歴史事典」にこの辺りが詳しく、手元に一冊置いて味読したいところだが、こちらも高額本で悩ましい。上掲写真は「書窓 製本の輯」のオンデマンド復刻本の方で、さすがにオリジナル本に比べると品が落ちる。それでも手にとって読めるだけでもね、善しとしないと。最近はこうしたオンデマンドによる小ロット本も時代遅れになっちゃって、電子出版の時代に入りました。

この電子出版はいろいろ意見の分かれるところですが、個人出版への入口を大きく開いた感じで、個々人が大出版社に伍してメディアの海にこぎだせるわけです。出版メディアの網はより複雑多岐に張られることになりそうです。どうなりますかね。