
長谷川伸「国定忠次」昭和22年刊の江戸書院版が届きました。江戸書院というのは初めてです。検索で探った感じでは、戦後に設立されたようですが短命だったのか、本の点数はあまり見つかりません。相変わらず、紙質の悪い仙花紙本あさりですが、中巻は河野通勢の装幀です。幾度も書きましたが、まさに大人の風格を感じさせます。また、長谷川伸は「国定忠次」を書くにあたって、忠治を知る人を取材したり現地を訪れたり、力を入れた作品だとどこかで述べていました。愉しみです。



上から中里介山「大菩薩峠」や吉川英治「宮本武蔵」挿絵で知られる石井鶴三は手慣れたものです。次が河野通勢。最後が初見の新井五郎、挿絵界の大御所の後を継いだのですから大変なプレッシャーでありましたろう。児童文学の挿絵が多いようですが経歴は分かりません。紙質や判サイズが微妙に違っていることも時代を感じさせます。下の写真が扉絵ですね。新井五郎もスタイルを踏襲して健闘しています。

さて、前ブログで間違いがひとつ。「日曜報知」は昭和初期に発刊されて、昭和17~18年頃にやはり他紙と統合されていますので、掲載のイラストは戦前のものということになります。紙質と保存が良かったせいもあったのですが、昭和30年代などととんだ間違いでした。ついでに田村“的”正和「忠臣蔵」では、大石内蔵助と肝胆相照らさん上杉藩名家老・色部安長は、番組では随分柳沢吉保におもねっていましたが、史実ではすでに亡くなっていたのではなかったかしら。いずれも、ご興味がないとは存じますが。
さて、明日のプレゼン用パッケージの見本造りでまた遅くなりました。仕事の中を泳いでいる感じですが、先ほどS藤君が三条市でNikon 135mm F2.8 Aisレンズを1,050円で買ってきてくれましたので、すっかり元気になりましたね。かつて、定価で5万円もした名玉でありますのに、おいたわしい。その冷えたレンズ鏡胴は我が手で温めてあげまする。S藤君が帰った後、手元に135mmは一本あるなと思ってよく見たらF3.5でありました。そうそう、急な仕事で使うために7~8年前に1万円ほどで買ったのを思いだしました。