橋本“方程式文”治の「小林秀雄の恵み」 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
橋本治「小林秀雄の恵み」を読んでいる。橋本は錯綜したテーマを因数分解して方程式を導きだし整理し評論する。独特な文体で、難しいことを簡単に、しかし分かりづらく解説する。よって橋本“方程式文”治でありますが、分かり易くしようとしてかえって分かりにくい文章になっているのが不思議です。ただ、読書していてすべて腑に落ちるというのも読む甲斐がない。理解できるところとできないところがはっきり“分かる”文章が私は好きですね。

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 黄昏れて「お送りします」メールする「多く死ます」と
                    カーソル揺るる

 狂騒の日は暮れゆきて窓外は静かに濡るる鈍き灯りに

 晴れあがる空清明に聴こえくる果てることなき目覚ましの音

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橋本治は未読本があれば手をのばすのですが小説はさっぱり読めない。中島みゆきの歌とDJみないな感じで困り果てている。少し前まで、やはり村上龍の評論が面白くて小説がつまらない。「五分後の世界」「希望の国のエクソダス」などは近未来SF風ゆえに、かえって構成がゆるさが目立って不満が残りました。おかげで最近では評論も縁遠くなってしまいました。群ようこは本にまつわるエッセーは芸があるのに、小説は男の読物ではないようで残念です。

最近は無理をして新しい作家本をあさることもなく、読み方もあっちとこっちを平行して読んだりいいかげんなものです。割と気に入っているのが、お酒を呑みながら現代音楽を聴きつつ、かつ読書する。これがクセになりそうです。現代音楽では旋律のみえないノイズのようなものが合うようです。サーバーのメンテナンスで昼休みに書き込んでいますが、脳内がすっかり仕事モードになってしまっていて、とりとめもない文章です。