民主党系会派の分裂もあって、現在、習志野市議会の野党最大会派となっているのが日本共産党です。07年市議選では、候補者3人を全員当選させました。合計得票は、約4700票で政党別得票では、民主党、公明党に次ぐ3番目ということになります。
谷岡たかし(2期・谷津・文教福祉常任委員)
・・・津田沼南口開発問題など市議会の様子を詳しく紹介している。
http://homepage2.nifty.com/t_tanioka/
入澤俊行(2期・袖ヶ浦・総務常任委員・議会運営委員)
・・・震災の様子や共産党の政策は、谷岡氏より詳しく紹介している印象です。下記の共産党習志野市委員会の各政策もこちらを開けるとすぐ見つかります。
http://homepage3.nifty.com/irisawa-t/
馬場のぶあき(10期・実籾・建設常任委員・最多当選・今期限りで引退)
市議選での立候補者は、現職の入澤氏・谷岡氏に加えて馬場氏の後継候補の市川ひさ子氏を含めた3名のようです。
http://homepage3.nifty.com/irisawa-t/2011nenn2gatu22nitiitikawahisako.htm
07年市議選では、公明党候補の1人の平均得票が1800票、民主党候補の3500票に対して共産党候補は、1600票弱で全員当選です。もっとも国政選挙になると共産党は、当選がかなり難しい選挙区にも大量に候補を立てるので、当落ばかりを重視しないということなのでしょう。
習志野市議会では、市営幼稚園、保育園の民営化統合計画見直し。JR津田沼南口駅前のなかよし幼稚園跡地売却反対。ボートピア習志野の撤退を求めるなど主な争点では、荒木市政と対決姿勢をとっており、議案賛成率56%で一般会計予算案に毎回反対するなど新社会党と並んで習志野市議会の野党系会派の中核的な役割をはたしています。
ちなみに日本共産党は、統一地方選挙の全国統一の政策として
「日本共産党をのばし、「住民が主人公」の地方政治に転換を」を発表しています。
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2011/20110113_isseichihousen_appeal.html
あまり多くは、ふれませんが1つの特徴として、全国的に国民保険料の引き下げを提案しているようです。また、議員定数の削減には、反対の立場です。但し、議員報酬や政務調査費の削減は、掲げています。
さらに習志野市については、共産党習志野市委員会から出された4月の市議選についての選挙公約などが上記入澤氏のホームページ上の「習志野市議会議員選挙にのぞむ日本共産党の主張と政策‐子どもから高齢者まで、安心して住み続けられる習志野市に」を開くと見ることができます。全市的な視野で書かれた非常にボリューミーな文章なんですが、特徴的なところをあげると
★習志野市の財政状況をみると、市民1人あたりの住民税額は全国783市のなかで38位です。自主財源比率は75%で全国38位、財政力指数は全国152位です。
・・・借金が800億円近くある習志野市ですが、財政力は実は、強く「財政難だから福祉を切り捨てる」は、口実に過ぎないとしています。
★議員定数削減には反対
・・・全国的な政策では、掲げられている議員報酬の引き下げも習志野市では、あまり具体的に取り上げられていません。
★津田沼南口開発について
・・・問題点がわかりやすくまとまっていると思います。また、この開発について市財政負担を17億2千万円軽減させたことを共産党の成果として強調しています。(2009年9月議会など)
★選挙の時だけ、(実際は、与党なんでも賛成議員なのに)野党のふりをする候補が多いことを非難している。
・・・このブログでもこの点は、よく取り上げているので共感する反面、それなら共産党も市長選には、参加するべきでしょう。
★国民保険料の1万円の引き下げの提案
・・・上記の通りこの統一地方選挙での共産党の全国的な政策です。他の自治体でも同様の提案を行うと思われます。
市議会では、左翼・野党会派の代表として存在感のあり、全市的な展望を持った政策を次々に提案できる力量をもった共産党ですが過去2回(07年、03年)の市長選では、どの候補者にも支持・推薦せず自主投票(好きな方に投票してくださいの意味)だった考えられます。今回の市長選も共産党に1番政策的に近いと思われる鴨氏が、市議時代に荒木市政賛成派だったために信頼を欠いていることもあってか
どの立候補予定者に対しても推薦や支持をしていないようです。
結果的に野党・左翼最大会派の共産党が市長選に何らかの形で参加しなかったためにと左翼的な政策を掲げる候補がいなくなってしまい市長選の盛り上がりを欠いている印象です。共産党は、市長選に何らかのメッセージを送る責任があるのではないでしょうか?共産党票約4700票がどの市長立候補予定者に流れるのか1つの注目です。
ここで考えなければならないのは、市長選に挑戦しないうえ(たぶんどの市長候補者が当選したとしても)野党系の立場の共産党が全市的な視野で政策を掲げても何か政策が実現できるのか、実績・成果をあげられるのかという疑問です。詳しく考えると与党系の候補者についても同じなんですが、現職や元職の候補者となればどの候補者も大なり小なりその候補者の実績なるものをアピールしています。そもそも市長の市政に関する実績というのは、わかりやすいですが、予算に関わる議案をほとんど提案することのない各市議会議員の実績、成果とは、いったいなんなんでしょうか?
共産党の今回の目玉ともいえる実績は、上記にあるように津田沼南口開発補助金17億円の削減です。谷岡氏がホームページ上でこれを実績として特に紹介していると思いますが、これを共産党および谷岡氏が実績としているのは、一般質問の機会で繰り返しとりあげてきたことなどを根拠にしています。結果的にこの質問内容(区画整理事業の事業収入が予定より多かったのでその分補助金=市が投入する税金を減らせたということ)の通りになったことを実績としています。
これは、1つの根拠としておかしいとは、思いませんが、最終的に区画整理事業組合に補助金を削減するように提案したのは、市当局になるし、予算案を可決するのには、過半数以上の議員の賛成が必要ですから、質問だけで1つの実績が作られるわけでなく多くの議員や市の当局の介在なしには、どの議員も実績は、作れないのです。
共産党も習志野市の野党系会派とは、いえ50%以上の議案には、賛成です。これは、新社会党など他の野党系議員も共通です。なので野党系議員がいいだしっぺなどになって色々な市の事業が起こることは、当然考えられます。但し、どこまでやれば実績と呼べるのかという判断は、かなり各議員の主観にゆだねられているようです。
1つの問題を政治的な立場が違う複数の候補者が取り上げている場合も考えれるので1人の議員の実績だと受け止めるのは、間違えというケースも多いです。というより議会は、議論してより多くの議員の賛成を取り付けることによって新たな政策を実現させていく場所なので、1人の議員のみの実績というものは、本質的には、存在しないでしょう。
そして、1人1人の候補者が実績とすることの真偽を判断するのは、常に現場の議会に居合わせている人間でないとかなり難しいのが現状です。どの候補者が1番この問題を多く取り上げたのか?言いだしっぺはどの議員か?など膨大な議事録から調べたり、ネットで公開されていない委員会審議があるなど個人で調査するのは、無理があるからです。議案の賛否と違い、実績、成果については、このブログでは、あくまでも各候補者の言い分をありのまま伝えることしかできませんので、ご理解ください。
ただし、特に政党系候補者については、1人の候補者の「実績」でもその政党の候補者全員の「実績」として宣伝されることが多いことに注意が必要です。
3月11日発生した東北地方太平洋沖地震については、いち早く市に東北地方太平洋沖地震による災害対策に関する緊急要請の提出を行っています。(上記の入澤氏のホームページで確認できます。)また、日本共産党は、防災・福祉のまちづくりをすすめます。として震災後の政策もとくさんの提案を載せました。その時の状況に応じて素早い政策提案能力をもった共産党ですが、上記のように市長選への不参加の分、割り引いて考えなければなりません。
上記の震災後の政策では、多くの提案の1つに東海大地震の想定震源域にある浜岡原発(静岡県)の停止を求めている点が特徴的です。共産党や新社会党、無所属の各候補者も含めて習志野市議会の野党系候補者は、ほとんど反原発の立場のようです。
また、国政ではこのブログで特別に取り上げている全国一律の統一地方選挙(共産党は、いっせい地方選挙と呼んでいるようです。)の延期する申しいれを行いましたが、最後まで全国一律の延期にこだわったみんなの党が、統一地方選挙の一部延期法(主に宮城県・福島県・岩手県のみを対象にした)に反対したのに対して共産党は、一部延期法自体には、賛成しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-15/2011031501_01_1.html