くだんの 『 目白コレクション 』 で 『 サンドリーズ 』 のそれは素晴らしいローマン
グラスは目白コレでは売れず、店の奥のメインコーナーにひっそりと置かれていました。
箱には 「 ローマングラス銀化長形瓶 」 と書かれてありました。
T さんに勧められて、そっと持って外の明るい陽射しにかかげて見てみると、玉虫色とも
虹色ともいえる様々な不思議な色合いで、 光り輝いていました。
私が今まで見たローマングラスの中で、一番 神秘的で 美しいものでした。
姿も縦長で美しく、口の縁までブルーに時にはパープルに光るのでした。
私は何度も 「 きれい 」 と声を上げました。
T さんが 「 H 君のお母さんだから、お安くしときます。 」 と5万円も値引いて下さった
ので、買う決心がつきました。
台座は T さんに全てお任せすることにしました。
T さんは 「 現代作家じゃなく、昔からの腕の良い職人さんに作ってもらった方がいいと
思うの。 」 と言われました。
後日、思ったより早く 「 台座ができました。 」 と連絡があり、引き取りに行きました。
シンプルだけれど、木の台座と鉄のアールの支えが丁寧で素敵でした。
何でも、青山や京橋の骨董屋が頼りにしている 渡辺さん という職人さんで、体調が悪い
のをおして2週間で作って下さったとのことでした。
「 年明けになるだろう ・・・・・ 」 と思っていたので、早い仕上がりにびっくりしました。
T さんは 「 博物館級のローマングラスよ 」 と 微笑みました。
あれから毎日、「 家の中にこんなにレベルの高いローマングラスが鎮座しているのが
不思議な感じがする。 」 と 次男と見入っています。