八月末の土曜日のお昼、家族で広尾・天現寺の 『青草窠 (せいそうか)』 へ
行きました。 次男の誕生日祝いでした。
昼は部屋料無料のお茶室では、床の間の花は ’海老花 という珍しい花と、
金水引 ’ で 向かい入れられました。
八月はどういうお料理が出るのか、楽しみでした。
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まず先付は ” 車海老と茄子の煮こごり ” です。
涼しげな薄手のガラス器にぶどうの葉が敷いてありました。
焼き茄子の香ばしさと、ほのかな酸味 (かりん酢って言っていました・・・) が
レアの車海老の食感とともに、夏らしくスキッとさせてくれます。
続いて、椀物は ”鱧と新玉葱のお椀” でした。
この店のスペシャリテとも言える出汁を頂くのが毎回楽しみで楽しみで・・・・・。
おいしい 美味しい とにかく上品な出汁・・・・・。
訪問する度に書いていますが、椀だね の素材のお味よりも、うすくひいて
あって、具材のあとにお出汁を飲んでも具材の味がまだまだ残っているのです。
この完成度の料理は、家庭では無理です。
普通の和食屋や料亭でも、ここまでは・・・・・・。
それにしても、新玉葱(淡路産)が椀物の具になるとは・・・脱帽です。
新玉葱の甘みとシャキっとした食感は、鱧よりも印象に残るほど美味しかった
です。
次は ”焼き鮎の飯蒸し” 。
すだちを搾り、山椒風味でおいしかったです。 香ばしくて・・・・・
そして ”八寸”は、 ・じゅんさいとトマト出汁 ・はまぐりの生姜煮
・長芋の胡麻ソース ・パプリカの焼き浸し
・ブラウンマッシュルームの揚げ物 (初めての食感でした)
”じゅんさいとトマト” を一口食べた時、塩味が無く 「んっ?出汁じゃない・・・・・」
と 思ったんですが、いま思うと ’トマト水’ (トマトでとる出汁)だっったのかと。
続いて ”とうもろこしのすり流し” でしたが、「とうもろこしの甘さを活かす
為、あえて出汁を使わず水と塩だけで仕上げました」 との事。!!!
一口すすり、あまりの甘さにびっくり みな声を上げるほど甘いのです。
これから、パプリカのスープを作る時の参考にしてみようと思いました。
話は変わりますが、外で野菜のスープが出される時、なぜか砂糖が入って
いて不自然な味がしてゲッソリする時が多々あります。
なんでスープに砂糖を入れるんだろう? というスープの謎の話を思い出し
ました。
『青草窠』 に話を戻して、次の皿は ”冬瓜の八丁味噌炊き” という一品。
八丁味噌は味が濃く苦手なのですが、出汁と葛(くず)で割ってあったので、
まったくくどくなかったです。
締めは ”鯛の梅風味茶漬け” です。
鯛のほぐし身を梅肉で炊いて梅色にした、目にも美しいお茶漬けでした。
大葉もたっぷりと散らしてあり、少食の私でもサラサラ~と頂けました。
甘味は ”白玉と葛きりの黒蜜がけ” と ”抹茶” でした。
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食後に、私が 「 引き算の料理が勉強になります 」 「 ひとつひとつが丁寧に
作られていて、とても美味しくいただきました 」 と 言うと、「 メインが無い、と
お叱りを受ける事があります。 お椀がメインだとなかなか理解していただけま
せん 。」 と云う事でした。
始めから終わりまで、感動ものの美味しさでした。
高級素材をあえて使わないで、シンプル極まりない最高の料理に脱帽する思い
でした。
こういう滋味豊かな料理が何よりです。 :..。o○゚:,。:..。o○:..。o○゚:,。:..。o○