NHKテレビで渡辺和子さん(86歳 ノートルダム清心学園理事長)を初めて
見ました。
何でも2・26事件で、9才の時目の前で最愛の父親を無残に殺されたと
いうショッキングな経験を持たれている方だそうです。
彼女は上智大学を卒業して、29歳の若さで修道女(シスター)の道を選ばれ
ました。
その時、アメリカ人の神父が 「 あなたが変わらなければ、どこへ行っても同じ
事です。 不平 ・ 不満が絶えないよ 」 と 言われたとのことです。
そして若くして、ノートルダム学園の総長として四苦八苦している36歳の
時に、神父様が渡してくれた英語の詩
Where God has planted you must blossom.
「 置かれた場所で咲きなさい 」
------ 置かれた所こそが今のあなたの居場所なのです ------ という言葉
が彼女の道を決定づけました。
岡山のノートルダム清心学園学長を経て、マザー・テレサの来日の際の
通訳を経られました。
その後も、膠原(こうげん)病の発症及び骨粗鬆症になり骨折を何回も繰り返し
たりの幾多の苦難がありました。
その折も ある方が 「 両手で (苦難の道を) 頂きなさい 」 と仰ったのでした。
彼女は86歳の今、「 ”老い” というものを自分の財産となるような丁寧な
生き方をすることによって、歳を取ってなければ咲かせることのできない花を
咲かせていきたいと思っています 」 ・・・
「 根を下へ下へ張っていくと、いつか必ず花が咲くと思う。 それはいぶし銀の
ような輝きを持った花になっていると思います 」 という珠玉の言葉に私は
ハッとしました。
「 今より若くなる日はございませんので、今日という日が一番若い日。
若々しい笑顔で生きなければ、置かれたところで咲くことにはならないと
思います 」
「 笑顔を忘れないで、一日一日を一番若い日として若々しく生きていきたい 」
と 微笑む86歳の渡辺さんに私も勇気づけられました。
彼女の生き生きした姿を見ていると、歳を重ねるということは、恐れることでは
ないようです。