白隠は江戸時代の偉大な僧侶で、沼津の原が故郷で ”500人に1人の名僧”
といわれています。
ノイローゼをわずらうほど神経質だった白隠は、厳しい修行の末、42才の時に
大きな悟りをひらきました。
その後死ぬまで1万点もの禅画を書いて、禅の教えによって人々を救済しま
した。
原の松蔭寺の住職を務めていて
「 駿河に過ぎたるものが二つあり
富士のお山に 原の白隠 」 と うたわれていました。
白隠が最も多く描いたのが、”達磨(だるま)”の画です。
一気呵成(かせい)の筆さばきで、気迫がみなぎり、スケールの大きな画です。
山下裕二氏 (美術史家)は、「これほどスケールの大きい人が、日本の歴史
にいたのかと驚かされる」 と絶賛しています。
彼によると、白隠の評価は外国の方が高く、ジョン・レノンも白隠の大ファンで
イマジンの歌詞はその影響を受けているとのことです。
また半世紀にわたり、白隠の達磨(だるま)の迫力に心を奪われてきたの
が、細川護煕(もりひろ)氏です。
彼の家にある ”半身達磨(だるま)”の画は、「あくまで悟りをひらいていくんだと
いう、凄まじいまでの気迫が感じられる一番好きな画です」 と。
彼の祖父細川護立(もりたつ)が集めた300点の白隠のコレクションが、彼が
理事長をしている 「永青文庫」 にあります。
白隠は又、禅の教えの為に、幕府の年貢や大名行列をユーモラスな画で
いさめた何物にもひるまなかった人でもあります。
(NHK・日曜美術館 参考)
展示が始まって二日目にBunkamuraへさっそく観に行きましたが、私は個人的
には、’雪村(せっそん)’ のユーモラスな水墨画の方が好きです。
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『心の底から人々を救済した白隠 禅画に込めたメッセージ』
は 2013年2月24日まで
Bunkamura ザ・ミュージアム (東京・渋谷) で開かれています