「Yふとん店」 を通りかかったので、思わず 「ちょっと止めて」 と言って車を
降りて店を訪ねてみました。
店員さんに「東京から来た高校の同級生ですが、社長はいらっしゃいますか?」
と聞くと、予想外に 「おります。ちょっとお待ち下さい」 と言って電話をかけ出し
ました。
この店以外にも2店舗あると聞いていたので、まさかここに居るとは・・・・
しばらくして、男の人が出てきましたが、サッカー部の頃のスリムなY君では
なく、すっかり太ったオジサンになっていました。
私は声も出なくてようやく 「道で会っても、わからんわ」 と言うと、3人の女の
店員さんが声を上げて笑っていました。
「私は変わった?」と聞くと「イヤ。目と鼻のあたりは、はっきり覚えとる。あまり
変わらへんよ。道で会っても、わかるわ」 と言ってました。
驚いている私に、次男が 「変わらないお母さんの方が例外だよ。普通年と
共に変わるよ」 と言ってました。
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ホテルへ戻ってすぐ、東京から予約しておいた東京の鮨屋の流れをくむ
「君や」 という鮨屋にタクシーで向かいました。
親戚に「美味しい」と聞いた店で、ホームページを見ると、なるほど志摩の地物
から各地のよりすぐりのネタで、料理もいろいろあり、夜は1万~1万5千円と
ありました。
東京から電話を入れて 「少食なので、3千円の予算で白身ばかりを7、8貫
いただけないかしら?」 と尋ねたら 「それだけでいいんですか?何か野菜料理
と赤だしでもお作りします」 ということでした。
私はマグロや背の青いものが苦手なので、鮨屋で限られたものしか頂け
ません。
お店は、故郷に似つかわしくないスタイリッシュな構えで、ジャズが流れた
畳敷きのテーブル席に案内されました。
最初に ”冷たい長芋豆腐” が出て、次に大きな ”米ナスの田楽”が出て、
ナス好きな私には嬉しく、美味しく頂きました。
メインのお鮨は、志摩の獲りたての ”平目” ”ヒラスズキ” ”フグ” ”鯛”
”甘エビ”、熊野の”オニエビ”、大きな”茹でエビ” と 爽やかな芽ネギにかつぶし
を混ぜた1貫・大きな卵焼きに少しのご飯を挟んだもの・かっぱ巻き3貫が
出て、シジミの赤だしが付きました。
どれもとてもプリプリしていて、新鮮なネタで量もちょうどよかったです。
「来年の10月にランチにまた来ます」 と約束して、ホテルへ戻りました。
その夜は、Y君の太った姿の夢を見そうでした・・・・