黒々と光る漆器に、金の漆で文様(もんよう)が描かれている物が、我が家
には、いくつかあります。
それら一つ一つを手に取ってみると、それらが私の手元にまで来た歴史に思い
をはせ、大切にしなければ・・・・と思いますし、細かい職人さんの技に、目を見
張る思いがします。
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一つ目は、本陣であった本家から曽祖父が、持ってきた花入れであり、黒地
に金の蝶々が艶やかに舞っているもので、明治時代以前のものなのに、今の
時代でも、充分通じるモダンさに圧倒されます。
二つ目は、京都で主人と外人夫妻を案内した時に、その後高熱を出してしま
い、やむを得ず「俵屋」で布団を引いてもらって、一人寝ていた時、宿の人の
「ほに近くに、古門前・新門前がありますよ」
という一言で、げんきんにも飛び起き、バブルがはじけて一人も客がいない
骨董通りを、一軒一軒全部訪ね、”江戸時代の水さし”が気になり、お店の人
に、鉄線の花を水を張って生けておいてもらい、水漏れしないか試してから、買
ってきたものです。
眺めていると、何か凛としたものを感じます。
三つ目は ”ふた付きの菓子器”で、実家からもらってきたもので、
お干菓子などを、常時入れています。
黒の地に、表に細かく菊の花の漆、ふたの裏には小桜が奥ゆかしく、塗られて
いて、ふたの上と器のまわりに、細かい古典的な柄が描かれています。
小さい頃から、なじんでいたので、懐かしく思い出します。
四つ目の四角い箱は、次男が道具屋で求めてきたもので、蔦の柄が描かれ
ています。
中には、祖母にもらった珊瑚(サンゴ)等の帯留めや、ペンダントや髪飾りにアレ
ンジしたものを入れています。
祖母からは、自分がお嫁に来た時の、実家の紋の入った大切なお琴をもらって
います。
私もお琴を習っていました。
箱の中の茶色の帯留めには、なんと、西洋紫陽花 (当時、もうあったので
しょう)の花が蒔絵で描かれており、上に濃い小さな珊瑚の玉がのっていて、
何ともモダンで愛らしいです。 (*^.^*)
![みやこわすれの料理・つれづれ記-菓子器](https://stat.ameba.jp/user_images/20120611/13/yoihonomori/06/ab/j/t02200165_0800060012022244983.jpg?caw=800)
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